バックナンバー

No.471(2017/8/28)
カザフスタンの労働事情

 7月28日に行われたユーラシアチームの労働事情を聴く会から、カザフスタン労働組合連合(FPRK)から報告のあった労働事情の概要を紹介する。
 カザフスタンは、現在、1994年の社会、経済、労働分野の社会的パートナーシップに関する大統領令、2000年のパートナーシップ法にもとづく対話がすすめられ、政府、労働組合、そして雇用者の権利を守る組織の三者による社会的対話が行われている。その一環で労働法の整備もなされ、労使関係制度は、労働協約関係制度の拡充、労働の標準化促進、労働安全衛生管理制度改革が行なわれ、今年施行された。 
 現況は、失業率も4%台に下がり、平均月収も1998年と比較して13倍に増えているが、カザフスタンの最低賃金額は平均賃金をかなり下回る水準にあり、明らかに労働の実質価値に見合っていないのが現状である。FTURKは、合理的な消費に基づいた最低賃金とするために、最低生活費算出の際に、マーケットバスケット方式による分析を活用するように政府に提案している。
 また、労働安全衛生は、労働組合の活動の最重要要素と考えているが、共和国統計委員会のデータによると、労働者の7人に1人が衛生基準を満たさない有害かつ危険な労働条件のもとで仕事をしており、その4分の1は女性である。現在は労災件数そのものはある程度減ってきているが、全体として安全衛生の状況はまだまだ厳しい状況のままである。  
 FPRKは、労働省に対し、安全な労働環境を提供した雇用者に対してはそれを奨励するという一連の措置をとって環境を整えるよう提案している。
 労働組合は労使紛争の予防に対しても最大の注意を払っている。新労働組合法によって地方連合、地方組織を設立することができるようになった。現在、産別組織また単組、地方組織にとって共通の課題は、労働組合の活動家、また、雇用者がきちんと法律、労働法に関しての知識がないということである。FPRKは、さまざまなセミナーや研修を開催し、すぐれた法律家や紛争調停に関する専門家、また国内、ILOの専門家を呼び、講義を行っている。昨年はこの労働法に関する講義、セミナー等を実施し、約3万人が出席した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.