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No.436(2017/2/1)
米国郵便が小売りチェーンへの委託業務を中止

 米国郵便(USPS)が2013年から始めていた文具小売りチェーン、ステープルスへの業務委託を中止する。
 ステープルスは現在全米500か所の小売店で郵便業務を行っているが、アメリカン郵便労働組合(APWU)は「業務委託は郵便労働者の雇用を奪い、賃金を低下させた」として全国労働委員会(NLRB)に提訴し、委員会は昨年11月に提訴を認めて、業務委託の中止を命令した。
 委託業務は慢性赤字に悩むUSPSがカリフォルニア、ペンシルバニアなど4州のステープル84店でパイロット計画として始めていた。

公務員給与を$1に削減できる法案が通過

 共和党多数の米国下院議会で連邦職員給与を$1に削減できる法案が復活、通過した。
 法案は1876年にインディアナ州選出下院議員が提案・成立の“ホーマン・ルール”と呼ばれるもので、1983年には廃止されたが、特定の連邦職員、特定の政府プロジェクトについてどの下院議員も修正提案できる事になっている。勿論上院・下院の多数決が必要だが、公務員が各種の脅威にさらされることは確実である。
 特に、トランプ次期大統領が大きな政府を排除して、ワシントンの官僚政治を批判し、公務員採用の一時停止を叫び、公務員労組に批判的な幾人かの長官を任命している時期だけに、全国財務職員組合(NTEU 150,000人)のギルマン法務局長は懸念を強くする。
 共和党は賛成を得るために、法案を1年後に再審議する時限立法とし、3名を除く共和党全員が賛成に回ったが、民主党は全員が反対した。
 法案はまた、自動昇給の停止や低勤務成績職員の解雇、年金の削減、公務中の組合活動禁止などを可能にする。またオバマ大統領が発令した1月1日からの2.1%昇給も廃止の可能性がある。共和党はこのホーマン・ルールを活用する研修会も実施している。

教育長官候補が上院報告に反組合の献金記録を削除

 次期教育長官に指名されたディボス女史が上院医療・教育・労働・年金委員会に提出した政治献金報告書から総額$500万の献金の一部となる$125,000の記録を削除したことが民主党の調査でわかった。
 この金額はミシガン州憲法から団体交渉権の行使を禁止する住民投票(賛成多数で成立)を支援するために使われたものだが、このため1月11日予定の聴聞会が17日に延期された。民主党は「トランプ政権移行検討委員会は各人事の承認を急ぐあまりに情報を隠している」と語るが、上院ではディボス氏任命への反対が強まっている。
 ディボス氏は共和党の中でも高額献金者の一人で、1989年以降各段階の議員候補者に対して、少なくとも$2,020万を献金している。上院委員会は過去5年間の$200以上の献金についての報告を求め、同氏は400件以上を報告した。
 同氏はミシガン州の億万長者で、“アメリカ児童のための連合会”という団体を創始して、チャーター・スクールと言われる公立学校の民営化を強く主張しているが、アメリカ教員連合会(AFT)などの教員組合は同氏の資質を疑問視して、その主張は教育を差別化し公立学校制度を破壊するとして強く反対である。
 トランプ政権移行検討委員会は「本件に注意が喚起されたことに感謝する。内容を検討する」と表明したが、長官候補者が報告書を訂正するのは珍しいことではないとしている。同様に、検事総長候補のセッションズ上院議員にも利害抵触問題の可能性がある所有油田の報告漏れが起きている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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