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No.423(2016/11/1)
米国の五つの州で“労働の権利法”が選挙の焦点

 11月の大統領選挙と総選挙、知事選と並んで、5つの州で“労働の権利法”を州憲法改正に盛り込む投票が行われる。これらの州はバージニア、アラバマ、ミズーリ、モンタナ、そしてケンタッキー州である。
 法律は労働組合への加入と組合費の納入を従業員の自由意志として、労働組合が交渉で決めた労働協約の適用を受ける従業員であっても、組合費を支払わなくてもよいとするもののである。
 南部諸州を中心に採用され、2012年以降はその動きが加速して現在26州で実施されており、労働組合弱体化の大きな要因となっている。州憲法に規定したのはそのうち10州だが、こうなると廃止は非常に困難となる。
 実業界と共和党はこの法律が個人の自由を保障し企業投資を促進するものとして歓迎し、推進に力を入れる。特に最近では、産業衰退に見舞われた自動車のミシガン州などの地域で産業復活を目指して採用されている。
 他方、労働組合と民主党は産業復興は労働者教育の向上や道路、運輸手段などのインフラ改善が重要だと主張し、“労働の権利法”を採用する各州の賃金が他州よりも実質3%低い点を指摘して、低賃金利用の手段に過ぎないとして反対する。
 しかし、全国の労働組合組織率が11.1%、バージニア州では5.4%という中で、州民多数の賛意を獲得するのは容易でなく、憲法改正上の複雑な質問と回答も理解を難しくさせている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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