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No.404(2016/7/15)
メキシコ教員労組ストへの警官介入で8名が死亡

 メキシコ南部のオアハカ州を中心に活動する急進的なCNTE(全国教員労組総連合会 8万名)はペニャニエト大統領政権による教育法改革の勤務評定に反対して、激しい抵抗を展開し、道路占拠や警察施設の焼き討ち、警察官を人質に取るなどしている。

 こうした中で警察はさらに組合幹部数名をマネー・ロンダリングなどの嫌疑で逮捕したことから、抗議するデモ隊が街頭やショッピング・モール、鉄道線路、またハイウェイを占拠した。そして6月18日、これを排除する警官隊の介入により、双方に計8人の死者が出た。

 検察当局によれば、組合幹部は抗議活動を組織するために不法な資金網を広げ、同時に私腹を肥やしたとしており、こうした行為は2013~15年に労働組合が教育省の実権を掌握して教育予算や教員の昇給・昇進を権限に収め、休暇や転勤も組合活動への参加度合いで決めた以降、行われたとしている。10年前にはCNTEが賃上げを理由にオアハカ市中央広場を6か月占拠して、警官隊がバリケードを突き破ったこともある。なお、その他のメキシコ教員組合としては南米最大のSNTE(全国教員労働組合約30万人)があり、穏健路線を進めている。

コロンビア政府と反乱軍がついに停戦協定に合意

 50年以上にわたるコロンビアの内戦で22万人以上の人々が殺害され、500万人以上が住処(すみか)を追われた。労働組合に関してもこれを敵視する反乱軍や右翼民兵組織が数百名の組合幹部を誘拐、殺害する状況にあり、国際労働機関(ILO)は同国を世界最悪の国と指定した。コロンビア政府も1999年以来、反乱軍と幾度かの和平交渉を重ねたが、たびたびの失敗を繰り返した。

 そして2012年、反乱軍最大勢力のFARC(コロンビア革命軍)と政府との和平交渉がキューバで始まり、今日に至ってようやく停戦に合意することになった。FARCはツイッターへの投稿で「ついに合意した。平和への道は続かねばならない。これは幻想ではない。約束だ」と強調している。

 協定によりFARC兵士7,000名が武器を放棄するが、彼らの多くは幼少時に誘拐され、ゲリラとしてしか生きるすべを知らない者であるため、罪を認めるものには“経過的正義”と呼ばれる刑罰の軽減措置が適用され、多くが社会奉仕などに従事することとなる。児童の兵士については国連のUNICEFも支援にあたる。

 FARCは1960年代に、右翼政権から農民を守る目的でマルクス・レーニン主義者により誕生したが、その後、資金確保のために住民を誘拐するようになった。1990年代にはコカインに手を伸ばし、農民に重税を課する一方で、密輸で資金を獲得した。1999年には米国とコロンビア政府が協力して麻薬取引撲滅に乗り出し、多くのFARC指導者や兵士が殺害されて、17,000人の勢力が今や7,000人以下に減少した。

 コロンビアのサントス大統領はこの停戦協定を国民の信任投票にかけるとしているが、世論調査では60%が賛成である。しかし反乱軍に厳しく対応したウリベ前大統領は協定に批判的で、FARCを無罪放免にするものだと述べている。これに対し、ある有力上院議員は「FARCメンバーを社会に同化させるのは最大の難事だが、停戦はもっと大事だ。FARCの武装解除でコロンビアの問題が解決できるわけではない。消える暴力もあるが消えないものもある。問題は貧困、失業、農業危機、汚職問題などだが、停戦の意味にはもっと大きなものがある」と述べる。
 また、12年前にFARCに誘拐された国家警察のメンディエッタ前長官は「武装解除されたゲリラの多くが犯罪組織に入るだろう。またFARCグループのあるものは地方に残って収奪を続けるだろう」と憂慮する。

トヨタ・カナダの労働組合結成が失敗

 カナダ自動車労組(CAW)は、カナダ通信・エネルギー・紙労組(CEP)と合併してカナダ最大の民間労働組合UNIFORを結成し、過去に何度か失敗しているトヨタ・カナダのケンブリッジ工場およびウッドストック工場組織化に再度取り組んだ。トヨタのオンタリオ州2工場には計8,000人が働くが、今回は、電気などメインテナンスの熟練工職場(500人)を対象にするもので、50%以上の賛成署名を獲得したとして労組結成投票に臨んだ。しかし、6月27日の投票結果は、反対278、賛成238となり、再び結成に失敗した。

 UNIFORは2014年にも工場全員の半数以上の賛成署名を集めたとして選挙の実施を求めたが、会社による実際の従業員数の発表で50%に満たないことが判明、選挙を諦めた経緯がある。今回は対象職場を絞って取り組んだわけだが、成功したとしても、オンタリオ州労働関係委員会がそれを承認するかどうかの問題も残しており、会社も「組立てとメインテナンス職場は一体化している」と主張していた。UNIFORないしCAWがトヨタとホンダ工場の組織化に努力を続ける一方で、カナダにあるデトロイト3社の工場規模は10,000名以上の減少を見せている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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