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No.394(2016/5/28)
「G7伊勢志摩サミット」開催、
連合と世界の労組は「レイバーサミット」により政策提言

 5月26、27日の両日、三重県志摩市の「志摩観光ホテル」で、2016年の主要国首脳会議(「G7伊勢志摩サミット」)が開催された。日本の安倍晋三首相が議長を務め、G7諸国の首脳、欧州理事会議長および欧州委員会委員長が参加した。会議では、国際的なテロや難民対策、北朝鮮の核開発などの政治課題、新興国経済の低迷を克服して世界の安定成長を実現するための経済対策等が論議され、不安定な国際情勢に立ち向かうための「G7首脳宣言」が発表された。このほか、4月10日の広島での外務大臣会合にはじまる関係閣僚会議が、9月までに全国10カ所で開催される。また、首脳会議後の5月27日にはオバマ氏が米国の現職大統領として初めて広島の被爆地を訪問し世界の注目を集めた。日本でG7サミットが開かれるのは2008年の「北海道・洞爺湖サミット」以来8年ぶりのことである。

 G7サミットは、労働組合が国際連携を通じて政策実現をはかるための最も重要な機会の一つである。そのため、連合などG7諸国の労働組合は、国際労働組合総連合(ITUC)、OECD労働組合諮問委員会(OECD-TUAC)などとともに、サミットの開催地に代表が結集して国際会議を行い(「レイバーサミット」)、政策提言の内容を確認、G7サミットの議長(開催国の大統領・首相)との協議を行っている。この「レイバーサミット」は、1977年のロンドンサミット以降、G7サミット(1998年〜2013年はロシアが加わりG8サミット)の主催国で開催されている。G7の議長である開催国トップとの政策協議は、2004年の米国・シーアイランドサミットでのJ.ブッシュ大統領以外ではすべて実現している。

 今回の「レイバーサミット」は、4月7日に連合本部で開催された。連合の神津里季生会長が議長を務め、今回のG7サミットに向け、世界の労働者、生活者の視点による提言をとりまとめた。そこでは、2016年は世界経済にとって2009年以降で最も危険な年になる恐れがあるとの考え方から、[1]社会における不平等の是正、[2]雇用とディーセントワークの創出、[3]ジェンダー平等の推進、[4]環境と気候変動への対応などを求めている。そして、とくに、昨年国連で確認された二つの歴史的な方針、すなわち、2030年に向けた新しい社会開発の目標(SDGs・「貧困のない世界)など」)と、気候変動に関する「パリ協定」(「脱炭素社会」など)の実現を強調するものである。

 4月7日には、「レイバーサミット」のち、首相官邸において、G7加盟国の労組代表やITUC、ITUC-AP、OECD-TUACのトップが参加し、G7の議長である安倍首相との政策協議を行った。この会合では、連合の神津会長が政策要請を行ったのち、シャラン・バロウITUC書記長、ジョン・エバンスTUAC事務局長より、要請の具体的内容について説明が行なわれた。安倍首相は、これらの要請に対して、「G7の議長として各国首脳と論議をすすめ、世界経済の力強い成長を実現するための明確なメッセージを出していきたい。開催国としてのリーダーシップを発揮し、要請内容も踏まえ、議論をすすめたい」と応えた。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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