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No.391(2016/5/1)
世界鉄鋼不況にドイツ労働者が声を上げる

 4月11日、全ドイツでIGメタル(ドイツ金属労組)は鉄鋼産業の未来に向けて45000人が集会を開催した。インダストリオールに加盟するIGメタルは一連の集団行動で、欧州には鉄鋼産業が現存し、未来への発展を有しているとしてスローガン「鉄鋼こそ未来」を掲げた。

 ティッセンクルップの最大の製鉄所があるデュイスブルグでは、16000人の労働者が集まり、欧州そしてドイツには競争力の強い鉄鋼産業があり、欧州における空洞化はあり得ないと決議した。そこでの主たる主張点は以下の通りだ。

  • 労働条件、質、そして環境保護面においての最高レベルに加え、欧州、特にドイツで生産されている鉄鋼はハイテク製品であり、競争力が強い。
  • 欧州鉄鋼産業はこれまで高効率部門としてCO2削減を実現してきたことを考えると、これ以上の負荷をかけることはない。
  • ドイツ鉄鋼労働者は不公正な補助金を得たダンピング輸入品やCO2削減、労働基本権、そして賃金などを配慮しないで生産された輸入品には反対する。

 これらの主張点はドイツをはじめ欧州の政治家に対し、空洞化反対への強い警告となる。意味するところはドイツや欧州における仕事の喪失や、労働条件の悪化を防ぐだけでなく、ハイレベルのCO2削減を実現する。

 集会には副首相と経済問題担当大臣が出席し、鉄鋼産業とそこに働く労働者に代わり、声を上げることを約束した。IGメタルの執行部全員がデュイスブルグの集会に出席し、挨拶に立ったヨルグ・ホフマン会長は声高らかに「我々の仕事に未来を!我々の家族に未来を!我々の地域に未来を!ドイツと欧州の製造業に未来を!鉄鋼業無しに製造業は存在しない」「鉄鋼には未来があり、それ故に今ここにいるのです。我々はドイツの製鉄所のためだけでなく欧州における製造業のサバイバルのために闘っている」と言明した。

 ティッセンクルップの国際委員会のメンバーでインダストリオール機械工学&材料産業マティアス・ハートヴィッヒ部長は「本日集まった16000人の男女労働者諸君から鉄鋼への心ふるわせる衝撃を感じた。この衝撃がデュイスブルグからベルリンへそしてブラッセルに伝わり、政治家達が欧州の空洞化に反対することを願う」と述べた。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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