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No.327(2015/7/29)
ミャンマーで歴史上初めて最低賃金制度が発足

 ミャンマーの労働組合が3年間要求していた最低賃金が、歴史上初めて6月29日に実現した。その額は日額で全国一律3600チャット(約356円)となる。
 労働組合の要求額は4000チャット(約396円)で使用者側の希望は2500チャット(約248円)に対し、政府の提案は3600チャット(約356円)で、2か月間の評価期間を経て設定される。その最賃額は1日8時間労働が基本で、全国に適用される。有給休暇に適用されるかは残された課題であるが、この最賃額はバングラデッシュの月額最低賃金68ドル(約8417円)を上回るものだ。使用者側は、日曜日は払わないことを政府に訴えている。
 最低賃金は15人以上の労働者を雇用する企業に適用されるが、労働組合は5人以上の企業に適用されるよう要求してきた。また、12か月後に最低賃金を見直すことを引き続き要求している。今回の決定はこの1年間政労使で話し合った結果のものだ。
 自由貿易地域の労働者には、最低賃金より高い額が適用される。
 ユリキインダストリオール書記長は「この3月に私はミャンマーの労働大臣に生活が可能な賃金(リビング・ウェッジ)に沿った最低賃金とすることが最も重要であると申し上げ、この国の労働者は職場における公正を強く望み、それは適正な賃金、労働時間、労働組合への加入権から始まる。」と言明した。
 インダストリオールに加盟しているミャンマー産業労働組合連盟(IWFM)のツァルアウン書記次長は今年の初め、月額100ドル(約1万2378円)の平均賃金は、標準週労働時間は44時間から46時間で、さらに週12時間から16時間の時間外労働を働いてようやく達成できるとミャンマー労働者の厳しさを語っていた。
 2014年12月にミャンマーの2つの労働組合がインダストリオールに加盟した。2012年に労働組合が合法化されて以来、国際労働組織はミャンマーの労働運動を組織化や教育訓練面で支援をしてきた。
 ITUCの7月3日付けニュースによると、この最低賃金制度に対し、韓国と中国の企業が反発し、導入されれば100近くの企業を撤退すると脅迫し、労働組合を怒らせている。
 シャロン・バローITUC書記長は「この1日3.2ドル(約396円)の最賃が適用されてもミャンマーの労働者とその家族は、1人当たり1.25ドル(約155円)というグローバルな貧困ラインを僅かに上回る状態におかれる。米国商工会議所が、最賃やディーセントワークを否定するキャンペーンをグローバルに展開しているのと同様、ミャンマーのいくつかの企業は労働者が生き残る基本的なレベルの賃金をも妨げようとしている。これは労働者を貧困におき、少数の金持ちのポケットに金を貯め込む典型的な悪徳サプライチェーンのやり方だ」とコメントしている。

*1チャット=0.099円(2015年7月22日現在)
*1ドル=123.78円(2015年7月22日現在)

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