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No.323(2015/7/2)
経済低迷下、ボルボ・ブラジルでの長期スト

 ボルボ・ブラジルクリティバ工場(従業員約3500人)での同社史上最長となったストライキが終了した。24日間にわたるストライキは6月1日、賃金と雇用保障で最終的に合意に達したが、今後希望退職の可能性も。ストライキは会社側の労働者解雇への動きから始まったものだった。
 ブラジル経済は昨年より、不振に落ち込み、第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比0・2%のマイナス成長となり、今後も急激な経済成長は見込めず、苦しい状況が続いている。6月2日の地理統計院(IBGE)発表によると、4月の工業生産は3月比1・2%、昨年4月比で7・6%低下した。前年同月比での低下は14カ月連続で、1~4月の生産低下も昨年同期比の6・3%に及んだ。
 こうした経済情況で、5月7日会社は解雇の選択を行うことに関して労働組合と15日間交渉すると労働省に届けた。しかしながら、同日会社は600人の従業員の解雇を労働者に伝え始めた。ブラジルの金属労働組合(CNTM)に加盟するクリティバ金属労働組合はボルボ・ブラジル社より余剰労働力の削減という会社側からの通告に対し、5月8日スト投票を実施し、労働組合はストライキに訴えることになった。セルジオ委員長はストのスタートからボルボ社に対し、職の保障について交渉をいつでも受け入れると伝えてきた。
 5月12日、会社側は利益分配制度に基づき賃金の50%カットを提案し秘密投票を実施した。また、賃金制度における柔軟性導入の提案もした。しかし、投票の結果は反対77%。賛成23%で否決された。それにも拘わらず会社側からは何の反応もなく労働側は会社が交渉に応じるまでストを続けることになった。最終的に6月1日、会社側は交渉に応じ、別の利益分配制度を提案してきた。その提案は生産水準に応じて最初の賃金増は年5000レアル(約20万100円)から年8000レアル(約32万160円)で年3万レアル(約120万600円)の上限を設けるというもの。また、希望退職を受け入れた従業員には、諸権利プラス一時金を払うことを前提に希望退職制度の可能性について交渉することになった。
 ブラジル自動車産業の苦境は6月に入り更に厳しく、メーカー4社が6月初めから休業に入る事などを決め、最低3万4700人が自宅待機となると5月28日付エスタード紙が報じた。

主なメーカーの状況
 ゼネラル・モーターズは6月1~28日に5500人を対象にレイオフ、これによりで8000台分の生産が停止される。メルセデス・ベンツは6月1日から7000人が15日間レイオフ、スカニアも3400人がレイオフに入る。フォード工場では2800人が4日に10日間のレイオフから戻り、フィアットのベチン工場でも2000人が1日に職場復帰の予定だが、ベチン工場は8~12日に生産ライン停止と発表した。

*1レアル=40.02円(2015年6月23日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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