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No.317(2015/6/9)
メキシコ農園のストライキ終了

 米国との国境に近いメキシコ北部に位置するバハ・カリフォルニア地区の農園では、劣悪な労働環境のもとトマト、キュウリ、イチゴなどの生産が行われており、低価格でアメリカで販売されている。そこで働く多くの農園労働者は、メキシコ北部を拠点とする先住民たちである。
 3月から農園労働者5万人が、賃金のアップ、健康保険への加入、コミュニティの権力者による女性への性的虐待をさせないことなどを政府に要求して全面ストに入っていたが、このほど農園と連邦政府との合意が成立した。
 協定は13項目にわたるが、その中で賃金は現在の日給100ペソ(約808円)が200ペソ(約1616円)となり、児童労働の廃止、住宅や食料、医療面での改善、そして長時間労働も禁止された。ストライキ中の逮捕者も釈放される。労働組合指導者のフィデル・サンチェス氏は「合意の内容に満足している」と語った。
 こうした労働条件の改善には会社とともに、連邦政府が補助金を支給するが、実施は6月4日として賃金は5月24日に遡って実施される。

*1メキシコペソ=8.00円(2015年6月5日現在)

フェイスブックの賃上げ方針を政府と労働組合が賞賛

 交流サイト(SNS)世界最大手のフェイスブック(FB)は、本社などで働く契約社員らの最低賃金を、本社があるカリフォルニア州の定める最低賃金より6ドル(約747円)高い15ドル(約1867円)とし、さらに最低15日間の有給休暇と4000ドル(約49万7840円)の児童手当も支払うことを明らかにした。この決定に対して労働組合と連邦政府は賞賛を送っている。
 政府アーネスト報道官は「同社はそれがビジネスに良いことだと考えわけだが、オバマ大統領も同様に思っている」と語り、“全国女性と家族パートナーシップ組合”のネス会長も「画期的なことだ。FBは、仕事と家庭のどちらかを選択しなければならない状況に終止符を打とうとしている」と評価した。
 FBのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は「本社で働く契約社員たちの労働条件改善のみならず、米国内でFBと取引する企業のうち25人以上規模の企業すべてに同じ条件を実施するよう要請した」と述べた。この動きは4月のウォルマートやマクドナルドの賃上げ方針に続くものである。
 シェリル氏は「家族の絆を強め健康な子どもを育てるための重要なステップだ」と述べた。なおシェリル氏は夫と2人の子どもがおり、かつて財務省首席補佐官を務めたこともある。女性と仕事についての著書「LEAN IN」は、全米ベストセラーとなっている。なお、起業家でベンチャーキャピタリストでもあった夫のゴールドバーグ氏は5月2日に急死したばかりである。
 シリコンバレーでは近年、大手IT企業に働くエリート従業員とその周辺で働くバス運転手、託児所職員、食堂職員等との待遇の格差が問題視され、最近ではグーグルのバス運転手が抗議の声を上げていた。抗議行動を支援したサービス労働組合(SEIU)の同地区フエルタ委員長は「FBの決定は警備関係職員やバス運転手による抗議の声に対する直接的な答えであり、大きな歩みの第一歩である」と述べた。

*1ドル=124.46円(2015年6月5日現在)

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