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No.304(2015/3/19)
カナダ太平洋鉄道ストライキが終結

 チームスター・カナダ鉄道労働組合は、カナダ・アメリカに約2万2500キロメートルの線路網を有するカナダ第2の鉄道、カナダ太平洋鉄道(CP)との協約交渉失敗により、機関車運転手、車掌など3300人の組合員に対し、2月15日にストライキを指令した。一方、ビルゲイツが巨額の資産運用をし、業績が好調なカナダ最大のカナディアン・ナショナル鉄道(CN)における交渉では、妥結に至りその内容を1800人の組合員に伝えた。
 他方、カナダ最大の労働組合であるUNIFORは、CNのメカニック、事務職員、トラック運転手など4800人の組合員を代表して交渉中であり、CPにおいてもメンテナンスを担当する組合員1800人を代表して交渉中である。
 CPは2012年以降、1万5000人の従業員を18%削減するなど合理化を進めている中で、労働組合は、運転手などに10時間勤務後の休憩を労働協約で約束しているにも関わらず、守られていないことを問題視している。
 ストライキ指令に対し、カナダ政府のケリー・リーチ労働相は声明を出し、太平洋鉄道の車掌や車両エンジニアを代表する組合が協約交渉を決裂させた、と強い口調で非難するとともに、ストを中止して会社との交渉を再開するよう組合幹部に求めた。
 今後、労使双方が休憩時間やスケジュール作成など未解決の問題を、仲裁に持ち込むことで合意し、ストを終結した。

米国西海岸の断続スト、労使紛争が深刻化、労働長官が介入へ

 過去に何度も激しい労使対立が起きた、米国西海岸の国際港湾倉庫労働組合(LWU)と太平洋海事協会(PMA)は、2014年7月1日に期限切れとなった労働協約の更新をめぐる労使交渉が決裂したまま、断続的なスローダウン(仕事の能率を故意に落とす)及びロックアウトが半年以上にわたって続いてきたが、事態はさらに深刻化している。
 そうした中、連邦政府は労働調停官を派遣して解決にあたったが改善は見られず、オバマ大統領の指令によりペレス労働長官が直接介入する異常事態になった。
 西海岸にはロサンゼルスやロングビーチ、オークランドといった29の港湾があり、米国貿易の4分の1を担うとともに、アジア諸国からの輸入貨物の70%を取り扱っている。日本の自動車メーカーは部品不足の影響がでており、輸出では、昨年末に日本国内のマクドナルドのポテトを一時Sサイズのみの販売にせざるを得なくなるなどの影響がでた。  港湾にはアジア諸国からの機械部品、消費財が滞貨の山を築き、輸出品のオレンジやリンゴなどは腐敗し、沖合で荷降ろしを待つ船舶は着港に1-2週間待ちという状態が続いている。
 協会側は、労働組合がクレーン操作などに有資格者を派遣しない為、ロックアウトをかけたなどと主張しているが、労働組合はこれを否定して、協会は交渉を受け入れさせるために、労働者を財政的に追い込もうとしていると述べている。
 労使交渉について協会は、フルタイム労働者の賃金水準は残業代などを含めて、現在の時給は50ドル(約6070円)以上(平均年収14万7000ドル=約1784万4330円)であり、そのうえに更なる賃金の引き上げと会社負担の健康保険を要求しているとしている。
 一方労働組合は、賃金がそれほど高くないこと、多くの労働者がフルタイムでないことを指摘しながらも、問題は賃金ではなく労働条件面だと主張している。

*1ドル=121.39円(2015年3月17日現在)

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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