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No.258(2014/8/7)
UAWが労組結成問題でフォルクスワーゲン社との合意を表明

 全米自動車労働組合(UAW)が取り組む、テネシー州チャタヌガのフォルクスワーゲン工場の組織化は、フォルクスワーゲン(VW)社が好意的な発言を行なっているにもかかわらず、共和党議員や州知事の強い反対活動などで挫折していた。
 しかし7月10日、UAWのカスティール財政事務局長は、フォルクスワーゲン(VW)社との合意で、新たに充分な署名を集めれば、労働組合が承認されると表明した。
 財政事務局長は今回の取り組みで、第三者からの反対活動を誘発する再投票は避けることにして、チャタヌガ工場近郊にUAWの支部「ローカル42」を設立し、そこでの団体協約が結ばれるまでは労働組合加入や組合費納入の必要がない状況をつくるという。合意はUAWの一方的な提案ではなく、会社側と徹底的に協議したものであり、ローカルで充分な署名が集まれば労働組合が承認されると述べた。参加は任意だが、UAWのギャリー・キャスティール書記/財務責任者は「VW労働者のかなりの部分が参加すると確信している」と話した。
 VW社はブルーカラーとホワイトカラー労働者の代表によるドイツ式「労働者協議会」の設立を希望しているが、米国の労働法では労働組合がないとそれが出来ない。
 一方、VWスポークスマンは「会社は本件に関してUAWと如何なる契約や正式合意も結んでいない。労働組合ローカルの結成ということは労働組合の問題だ」と声明した。
 2月の労働組合結成投票の際には、VWが新型SUVをチャタヌガで生産するかメキシコにするかをめぐって、共和党が大勢を占める州政府および州議会は、労働組合承認の際、州補助金の打ち切りの可能性を示唆した。また「労働組合が否決されれば、2週間以内にチャタヌガ工場で生産の決定が出る」と言明する有力議員もいたが、7月14日、VWはチャタヌガ工場での新型SUV生産を行なうと発表し、従業員2000人の増員も決定した。

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教職員労働組合(NEA)が教育長官の辞任を要求

 約310万人の組合員を擁する米国最大の教職員労働組合、全国教育協会(NEA)が年次大会においてダンカン教育長官への辞任要求を決議した。
 発端となったのは、最近出されたカリフォルニア州裁判所の判決を、ダンカン教育長官が称賛したことにある。判決は「教職員労働組合が労使交渉で得た、州公立学校教師に対する終身雇用などの保護制度によって、悪質な教師も解雇できない環境がつくられおり、こうした教師の手に低収入家庭の子弟を委ねている現行州法は、憲法が保障している適正な教育の権利を生徒から奪うものである」と指摘している。
 ダンカン教育長官は、ジョージ・W・ブッシュ大統領が推し進めた2001年の教育改革法を支持し、シカゴ市教育長時代に市内小学校の教育水準を向上させるなどの成果を挙げたが、オバマ政権に代わった後、2009年に教育長官に信任されている。オバマ大統領とダンカン氏は同じハーバード大学出身であり、バスケットボール仲間として親交を持っていた。
 ロッケルNEA会長は「決議はダンカン長官を個人的に非難するものではないが、オバマ政権による数々の誤った政策へのフラストレーションを示すものだ」と述べた。
 オバマ政権はこの問題の他にも、チャーター・スクール(民間企業運営の公立学校)や、生徒の学業成績を教師の業績評価に導入するなどの政策を打ち出しているが、各教職員労働組合からは反対の声が強い。
 米国2位のアメリカ教員連盟(AFT)のウエインガーテン会長も7月の大会で、ダンカン長官の退任までは求めなかったが、政府の教育政策を非難した。しかし民主党の有力指導者の間には教職員労働組合に対する批判的な者が増えているといわれている。
 なおNEA会長は、ロッケル氏からユタ州の小学校教師であるリリー・E・ガルシア氏に交代することが予定されている。

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