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No.257(2014/8/1)
南アフリカ金属労働組合のストライキ

 米自動車大手ゼネラル・モーターズは、7月4日、部品サプライヤーのストライキの影響で、南アフリカのポートエリザベスにある主力工場の生産を一時停止したとロイターが報道したが、トヨタなど日系企業も工場があり、南アフリカ経済にも大きな影響を与えることになる。
 南アフリカ金属労働組合(NUMSA :組織人員22万人)は5月末に闘争宣言をして以来、2カ月にわたって賃金引き上げ等の要求について経営側(SEIFSA )と交渉してきたがまとまらず、7月1日よりストライキに入った。賃金引き上げは当初の15%要求を12%に引き下げ、若年者賃金の改善、労働者斡旋ブローカー利用の禁止、住宅手当などに焦点を絞っている。
 スト現場では一部暴力行為も見られたが、NUMSAは「スト行動は苦渋の決断であり、政治的なものではなく整然と行なっている」と言明し、経営側にいつでも交渉のテーブルにつくようにと要請している。
 NUMSAは戦術会議を開催し、これまでの経営側の回答10%を踏まえ、スト行動の状況を再度吟味して、交渉を再開し、解決を目指すとしている。
 経営サイドも、昨年の15日間のストで自動車産業は20億ランド(約192億4000万円)の損害を被ったこともあり早期解決を望んでいる。しかし、経営側も中小企業の団体からは8%の賃上げも困難であるとの声もあり、まとまるか難しい情勢だ。
 労働省の担当者も労使双方に面会し解決に乗り出し、特に未解決事項である労働者斡旋問題についてNUMSAと協議を続けている。
 昨年来のプラチナ鉱山ストで弱っている、南アフリカ経済を更に追い詰める金属労働組合のストに対しては、外資系企業を含め1万2000人の経営者が危機感を深めていると表明した。ストも長引くと、暴力行為も頻発し、NUMSA組合員が逮捕されている。こうした情勢を見ると、政権党ANCや上部団体のCOSATUと対立 を深めているNUMSAにとっては正念場を迎えている。
 COSATUの主要産業別組合であるNUMSAのこの動きは他の加盟組合からはNUMSAを除名すべしとの強硬意見が出ている。NUMSAはこれに対し、COSATU加盟会費支払いを凍結している。NUMSAは3月に社会主義を目指す政党を結成することを事実上決定し、対立は深まっている。

*1ランド=9.62円(2014年7月30日現在)

1The National Union of Metalworkers of South Africa (NUMSA)
2Steel and Engineering Industries Federation of South Africa (SEIFSA)
3昨年末選任されたNUMSAの新指導者、委員長Andrew Chirwa,書記長Irvin JimはANC、COSATUが支持している現職ズマ大統領が、ンカンドラにある広大な私邸に国費を注ぎ込んでいるとして、辞職を要求し、次回の選挙ではANCを支持しないと明言した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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