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No.247(2014/6/19)
ILO報告、2100万人の強制労働

 国際労働機関(ILO)は世界の強制労働で働く者が2100万人に上り、そこで年間1500億ドル(約15兆2715億円)の利益をあげているとする報告を発表した。
 そのうち、3分の2の990億ドル(約10兆792億円)は女性による売春やポルノという性的搾取および家事雑用からのものであり、男性や少年からの搾取は農業、鉱業、建築の分野に多い。
 ガイ・ライダーILO事務局長は「かかる巨大な利益を搾取する根深い邪悪と奴隷労働の廃絶に向けて、政労使による一層の努力が早急に必要だ。貧困対策としての福祉の充実、非識字者の撲滅と教育の充実による人々の自覚、労働者の権利意識を育てなければならない」と強調した。
 こうした不当な利益を地域別にみると、3分の1の469億ドル(約4兆7749億円)がEUなどの先進諸国、518億ドル(約5兆2738億円)がアジア・パシフィック地域であげられ、一人当たりでは先進諸国の3万4800ドル(約354万2988円)に対して、最低のアフリカでは3900ドル(約39万7059円)であり、業態別には世界平均1人当たり、性的産業で2万1800ドル(約221万9458円)、農業2500ドル(約25万4525円)、家内労働2200ドル(約22万3982円)となっている。        
 ILOは2005年にも同様の報告書を発表したが、当時の強制労働による利益額は440億ドル(約4兆4796億円)であった。また当時は調査対象を性的産業と農業としていたものを、今回は鉱業、建築、メイド、家事手伝い、そして使用者による脅迫と低賃金が言われる分野に広げて調査した。

*1ドル=101.81円(2014年6月16日現在)

カンボジア、最低賃金をめぐる紛争解決へ

 国の内外の労働組合組織やNGO、ファッションブランド各社からの強い圧力が功を奏し、5月30日、23名の拘留されていた労働者はプノンペン裁判所の判決後釈放された。
 23名のうち、21名は保釈を拒否して1月より拘留されていた。判決は6か月から4年半で執行猶予付きとなった。SLガーメントのストに関与した2人の組合活動家は、2013年11月の判決で有罪となっていたが、今回同時に釈放されたので合計25名が釈放されたことになる。判決内容は扇動、暴力、財産破壊を含むもので、4人にはそれぞれ2000米ドル(約20万3620円)の罰金が科せられた。
 ユリキインダストリオール書記長はITUCとUNIをも代表し、5月26日、ブランド各社と政府長官との会議終了後次のように語った。
 「5カ月もの長期間、拘留されていた労働者が家族のもとに帰り、正直ほっとしている。裁判所が下した判決は厳しいが、執行猶予付きの判決は裁判中に彼らの不法行為に対する証明不足についての国際的な批判から何とか面子を保とうとするものだ。」
 インダストリオール加盟の被服縫製労働組合(C.CAWDU)のソーン委員長は「この勝利は最初の第一歩で、最低賃金160米ドル(約1万6290円)を獲得するように政府と交渉するとともに、繊維労働者の労働権を確保し、より良い仕事と尊厳を確かなものにしたい」と述べている。
 インダストリオール、ITUC、UNIは最低賃金闘争と労働法に今後焦点を絞っていく。ILOは最新の労働組合法の原案に対し「ILO専門員会の条約や勧告に対する要求を無視している」と厳しい批判をしている。
 一方、カンボジア政府は新賃金制度の形成メカニズムに対する研究結果を労働組合と被服縫製工業会(GMAC)に示し、6月中旬までに最低賃金の交渉を再スタートすると確約した。
 ITUCシャロン・バロウ書記長は、今回の結果は国際労働運動と国際ファッションブランド各社と協調しながらカンボジア政府と交渉した結果で、まさに国際連帯が機能した、とコメントしている。
 ユリキインダストリオール書記長は「インダストリオールはブランド各社、カンボジア政府、労使、一体となり、カンボジア繊維産業を発展させ、生活賃金や結社の自由を実現していく」と述べた。

インダストリオールニュースより

*1ドル=101.81ドル(2014年6月16日現在)

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