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No.160(2013/1/23)
家事労働者の劣悪な労働条件の改善を求めて

 国際労働組合総連合(ITUC)は、欧州労働組合連合(ETUC)、国際産業別労働組合の国際公務労連(PSI)、 国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)などと共に劣悪な労働環境で働く家事労働者の窮状を訴えることを呼びかけ、2012年12月12日に世界50ヵ国で集会やデモが行なわれた。
 2011年6月に開催された第100回国際労働機関(ILO)総会で「家事労働者の適切な仕事に関する条約189号」が採択され、2012年はウルグアイ、モーリシャス、フィリピン、ボリビア、ニカラグア、パラグアイの6ヵ国とヨーロッパ地域でイタリアが初めて批准した。ETUCは「イタリア政府が189号条約を批准したことを歓迎する。われわれの活動が大きな役割を果たした」と述べた。
 ILO189号条約は、家事労働者が他の労働者と同じ基本的な労働者の権利を有するべきとして、[1]安全で健康的な作業環境の権利[2]一般の労働者と等しい労働時間[3]最低でも連続24時間の週休[4]現物払いの制限[5]雇用条件に関する情報の明示[6]結社の自由や団体交渉権といった就労に係る基本的な権利および原則の尊重・促進・実現――などを規定している。
 ITUC シャラン・バロウ書記長は、「多くの家事労働者を取り巻く環境は厳しく、奴隷のような扱いを受けている。われわれの活動を通して、家事労働者が置かれている実情を世界に訴え、彼らの労働環境を少しでも改善するよう求めていかなければならない」と述べた。
 ILOは2013年1月9日、「世界の家事労働者:世界全体および地域別統計と法的保護の程度」と題する報告書を発表した。報告書によると、家事労働者とは、各家庭で雇われ、炊事や洗濯、育児などの家事に従事して生計を立てている人と定義しており、2010年に世界全体で少なくても5260万人が家事労働者で、そのうち83%が女性である。ただし、約740万人と推計されている15歳未満の児童の家事労働者は集計の対象外となっている。
 また、家事労働者の多くは劣悪な労働条件にあり、法的保護が欠如しており、一般の労働法の適用は全体の1割程度で4分の1以上が適用外となっている。この法的保護の欠如により、家事労働者は低賃金で長時間労働であることが問題となっている。特にアジアや中東地域では多くの努力が必要としている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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