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No.155(2012/12/6)
イギリスTUC フィジー軍事政権の人権弾圧を訴える

 イギリスのナショナルセンターであるイギリス労働組合会議(TUC)は、「世界の多くの人々は、フィジーに対して熱帯の楽園の島という間違ったイメージをもっている」と、軍事政権に抑圧されているフィジーの人々の現状をメールで配信した。
 人口約85万人のフィジーでは、2009年にバイニマラマ国軍司令官が首相に就任してから、国民生活をあらゆる面で管理下に置き基本的人権を抑圧して、現在も改善の兆しがない。
 TUCは今年11月初旬、フィジーのラグビーチームが親善試合のためにイギリスを訪問する機会に、フィジー軍事政権に関する現状や、弾圧されている労働組合運動を支持することを発信するとともに、試合観戦に集まったラグビーファンにちらしを配布した。このちらしには、フィジー軍事政権の抑圧の状況が具体的に指摘されており、「フィジーの軍事政権は、あらゆることを規制している。フィジーには言論の自由も結社の自由もない。軍事政権はラグビーに熱心だが、人権問題に対しても同じように熱心に取り組む必要がある。軍事政権は意に沿わない裁判所の判事を解雇するだけではなく、国際的な人権ミッションまで排除した。英連邦や南太平洋の独立国および自治政府を対象にした地域経済協力機構である太平洋諸島フォーラム(PIF)から完全資格停止処分を受けており、メディアも厳しく監視されている。労使交渉は警官が同席しなければできず、労働者も農民も貧困に苦しんでいる。われわれは、このフィジーチームのツアーを阻止するのではなく現状を把握してほしいのだ。あなたがフェアープレイのファンならTUCのHPにアクセクしてほしい」と呼びかけた。
 2012年11月初めジュネーブのILO本部で開かれたILO理事会の結社の自由委員会は、団結権、団体交渉権、社会対話の権利など、労使団体の権利に係わる申し立てを32件審議し、深刻で早急な対応を要するとして、特に注意を喚起した5ヵ国のうちのひとつとしてフィジーをあげた。他の4ヵ国はアルゼンチン、カンボジア、エチオピア、ペルーである。

 参考資料:HP=TUC、ILO駐日事務所

フィジー・バイニマラマ首相、国際砂糖機関(ISO)議長に選出されず

 国際産業別労働組合組織の一つである国際食品労連(IUF)は、国際砂糖機関(ISO)が11月下旬にロンドンで開催する年次セミナーで、フィジーの首相であるバイニマラマ国軍司令官を議長に選出する予定との新聞報道を受け、ISOの加盟国に注意喚起の声明を発信した。
 ISOは国際砂糖協定(ISA)の規定を遂行するための政府間組織で、世界87ヵ国が加盟し、ロンドンに本部を置く。世界の砂糖に関する国際的なフォーラムを開催するなど、政府間の協議を促進し、世界の砂糖市場に関する諸条件の改善を図るための活動を展開している。
 IUF ロン・オズワルド書記長は11月23日付のISOに宛てた公開書簡の中で、ISOのような国際的な機関が反民主主義強権政治を進めるバイニマラマ国軍司令官のような軍事独裁者に議長の席を与えることは、フィジー独裁政権に正当性を与えるものであり、ISOの名誉を傷つけるものであると述べた。また、フィジーにおける労働者の諸権利を侵害することは、フィジーを「深刻で急を要する案件」として、国際労働機関(ILO)が特別決議を採択するまでに至っている事実を指摘した。さらに、フィジーは砂糖産業における公平な労働基準の遵守が求められている国際砂糖協定(ISA)規約29条に違反しているとして、民主主義と労働者の諸権利が復活するまで、いかなる会議もフィジーで開催しないよう呼び掛けた。フィジーの砂糖産業労働者もIUFに加盟している。
 ISOは、第21回ISO年次セミナーを11月27~28日、ロンドンのイーストウィンターガーデンで開き、フィリピンのマリアレジナ・バウティスタ・マーティン女史を議長にすることを発表した。女性の議長は史上初めてといわれる。

 参考:HP=イギリス労働組合連合(TUC)、IUF、 ISO

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