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No.152(2012/11/21)
連合 2013春季生活闘争中央討論集会 開催

 日本労働組合総連合会(連合)は11月7~8日、2013年度の賃金・労働条件改善に向けた方針を議論する2013春季生活闘争中央討論集会を、東京近郊の浦安ブライトンホテルで開催し、全国の構成組織・地方連合会・関連団体などから465人が参加した。
 連合・古賀会長は、冒頭のあいさつで「1997年と2011年で比較すると、一般労働者の平均賃金は4.1%減少している。わが国の社会の不安定化は許容範囲を大きく超えており、再び厚みのある中間層を取り戻すことが必要。人を単なるコストと捉えてはならず、人材の活用によって付加価値の増大を図り、その成果の適正な配分を通じて日本経済の成長を図る好循環へとつなげるべきだ。連合が掲げる『働くことを軸とする安心社会』をめざし、『傷んだ雇用・労働条件』の復元を図っていかなければいけない。デフレ・低成長から早期に脱却し、最低賃金の引き上げ、パート・非正規労働者の均等・均衡処遇などディーセントワーク促進のための運動をすすめよう」と強調した。
 次に、日本総合研究所・寺島実郎理事長から「世界の構造転換と日本の進路」をテーマにした講演が行なわれた後、連合・南雲事務局長が「2013春季生活闘争基本構想」を提案。
 南雲事務局長は、「『傷んだ雇用・労働条件』の復元を図るために、すべての労働者の処遇改善、労働条件の底上げ・底支えと復元、格差是正をめざす。すべての労働組合は賃上げ・労働条件の改善のために1%を目安に配分を求める取り組みを進めよう」と提起した。 
 また、労働条件とともに運動の両輪である2013年度政策・制度課題への取り組みについて、「日本再生戦略」の推進による質の高い雇用の創出、地域活性化をはじめとする重要課題の実現に向けた運動の提起を行なった。 
 その後、翌日にかけ「2013春季生活闘争基本構想」をふまえ、3つの分科会における意見交換、全体討論が行なわれた。
 連合は本集会での意見を補強意見とし、三役会・中央執行委員会でさらに議論を重ね、12月5日に行なわれる中央執行委員会で最終的な方針を決定する予定だ。

現代自動車インド社の長引く労使紛争

 現代自動車インドの労働組合である現代自動車インド従業員労働組合(HMIEU)は、2007年の労働組合結成を経営側が承認しなかったことに端を発し、2008年にはストライキに関与したという理由で解雇問題に拡大しており、この問題は依然として解決のめどが立っていない。
 HMIEUは労働組合設立以来、3回のストライキを実行しているが10月30日、チェンナイ近郊のイランガットゥコッタの工場で労働者の真の権利を否定する非妥協的な経営側の態度を理由に4回目のストライキに突入した。タミルナドゥ州の警察は工場付近での平和的な行動やタミルナド州産業振興公社(SIPCOT)の工場団地にある準労働監督官の事務所への抗議デモは許可してないとしている。
 HMIEUの主な要求は、[1]2008年に解雇された労働者27人の解雇撤回(No43号)[2]経営側がHMIEUを承認し、過半数を占める労働組合を決めるための秘密投票の実施[3]最近締結された現代自動車従業員団結労働組合(UUHE)との賃金協定を再協議――などである。
 HMIEUは2007年に結成され、共産党(CPI)系のインド労働組合センター(CITU)に加盟。しかし、経営側は結成当初からHMIEUを認めず、2008年には承認を求めるストライキ中に87人の労働者を解雇した。そのうちの60人は解雇が撤回されたが、労使と労働省代表からなる三者委員会での長い協議を経ても27人は依然として解雇されたままである。
 経営側は2011年5月に結成された現代自動車従業員団結労働組合(UUHE)を早々に承認し、2012年4月には賃金協定を締結した。その一方で、HMIEUは2012年2月に賃金を含めさまざまな課題を提出したにも拘わらず、経営側がHMIEUに何の相談や報告もしなかったことは不当労働行為だと主張している。HMIEU・スリドハー事務局長は「経営側がUUHEと結んだ反労働者的な賃金協定を労働者に押しつけようとしている」と主張している。
 タミルナドゥ州議会の議員でHMIEU・ウンダララジャン名誉会長は州議会でこの問題を提起し、現代自動車インドの紛争解決に向けて州政府の仲介を要請した。そして現代自動車インドの労使は州労働大臣の立ち会いの上、会議を11月1日に持った。
 その後、11月5日の現地紙の報道ではストライキは6日目に突入し、経営側の「政党にリンクした労働組合は認めない」と、州政府の介入があって態度をも変えなかった。
 しかしHMIEUは11月10日、賃金協定を受け入れ、ストライキを中止したが、経営側は依然として労働組合承認を拒み、最終的な解決には至ってない。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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