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No.135(2012/7/30)
韓国 2013年最低賃金わずかに上昇

 韓国の最低賃金を検討・決定する公労使各9人の27人で構成される最低賃金委員会は6月30日、全国最低賃金を現行の時給4580ウォン*(約316円)から6.1%引き上げ4860ウォン(約336円)に決定した。韓国雇用労働部は「この影響は、週40時間働く労働者の月額賃金が102万ウォン(約7万500円)となり、約258万人の労働者の賃金が増えることになる」と述べた。
 当初、労働側の22.3%引き上げの5600ウォン(約387円)の要求に対し、経営側は3.4%引き上げの4735ウォン(約327円)を主張。韓国労働組合総連盟(FKTU)と韓国民主労働組合総連盟(KCTU)の最低賃金委員8人は、経営側が提示した金額や委員の選定に関する手続きなどを不満とし、委員会への不参加を表明。最終的には公益委員が提示した仲裁案に対して、賛成10(公益委員9、国民労総1)反対8(経営側委員)、棄権9(KCTU、FKTU委員、経営側委員)で可決された。
 他のアジア新興国に比べ、労働側の要求からすれば極めて低い引き上げ率となり、不満が残る結果となった。このような背景から7月に入り、現代自動車やキア自動車などが加盟している韓国金属労組(KMWU)は、賃金の増加や深夜勤務廃止などを要求し、ストライキを決行し攻勢を強めている。また、金属産業の最低賃金を現行4670ウォン(約322円)から5600ウォンに引き上げることを要求している。
 雇用労働部は細目の協定を整え7月6日、決定した最低賃金を告示。これに対して、KCTUが異議申し立てを行ない、決定した最低賃金の撤回を求めている。

アジア諸国の最低賃金の動向
  • 中国政府は、最低賃金を2015年まで毎年、前年比13%引き上げる5ヵ年計画を発表。上海市は今年4月1日、法定最低賃金を13.3%引き上げ、月1450元(約1万7830円)となった。
  • タイ政府は今年4月1日、法定最低賃金を約40%引き上げた。その結果、バンコク都と首都圏のパトゥムタニ県、ノンタブリ県、サムットサコン県、ナコンパトム県、サムットプラカーン県、プーケット県の1都6県では最低賃金が1日300バーツ(約747円)に引き上げられた。
  • インドネシア・ジャカルタ首都特別区では、2012年月額最低賃金が18.53%引き上げの152万9000ルピア(約1万2690円)。

*1ウォン=0.0691円(2012年7月30日現在)
 *1元=12.2994円(2012年7月30日現在)
 *1バーツ=2.4902円(2012年7月30日現在)
 *1ルピア=0.0083円(2012年7月30日現在) 

韓国労働組合総連合(FKTU)委員長が辞任を表明

  韓国のナショナルセンターであるFKTUのイ・ヨンドク委員長は7月23日、健康上の理由により委員長職の辞任を表明した。
 FKTUは、2007年の第17代大統領選挙の直前にイ・ミョンバク大統領候補の支持を表明し、政策協定を締結。総選挙でも4人の組織内議員を当選させた。
 しかし、イ・ミョンバク政権は、『労働組合および労働関係調整法』を強引に推し進め、「労働組合専従者賃金の支給禁止」「複数労組制の解禁」を実施。これにより、FKTUとハンナラ党(現セヌリ党)の関係が悪化。
 2011年1月25日に行なわれたFKTU第23代委員長選挙では、現執行部のハンナラ党との政策協定の批判や労働組合法の再改正を公約していた金融労組出身のFKTU元委員長のイ・ヨンドク氏は、現執行部の副委員長であるキム・ジュヨン候補とムン・ジングク候補に勝利した。その後の定期大会で、この政策協定は破棄された。
 その後FKTUは12月16日、民主党、市民統合党とともに、最大野党となる「民主統合党」を結成。しかし、政治参加を進めるFKTUに対して、雇用労働部やFKTU内部からも批判が高まっていた。
 このような状況の中で、今年2月のFKTU定期代議員大会では、執行部の過度な政治関与に反発した代議員が大会をボイコットし、66年ぶりに大会が不成立となった。
 イ・ヨンドク委員長は、辞任は健康上の理由によるものとしながらも、FKTUの民主統合党の参加勢力と過去に主導権を握っていた新セヌリ勢力との衝突や、総選挙の敗北などの一連の政治責任を取る形で7月27日のFKTU代議員大会で正式に辞任した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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