バックナンバー

No.133(2012/7/17)
国際サービス従業員労働組合(SEIU)大統領選最重点地域8州を指定

 米国やカナダ、プエルトルコの医療・介護・福祉、公務員、ビル管理・清掃などの働く仲間210万人が結集した国際サービス従業員労働組合(SEIU)は、今年の大統領選挙に向けて、最重点地域として、コロラド、フロリダ、ニューハンプシャー、ネバダ、オハイオ、ペンシルバニア、ウイスコンシン、バージニアの8州を指定した。
 かつて米国では自動車や鉄鋼などの産業別労働組合が主流であったが、産業構造の転換により、今ではSEIUが米国で最も影響力を持つ労働組合となっており、民主党の大きな基盤のひとつとなっている。
 SEIUは2008年の大統領選挙で、議員選挙を含め総額8500万ドルを民主党に献金したほか、組合員がボランティアで選挙活動を行なうなど、オバマ大統領の誕生に大きく貢献した。
 今回は、2008年の大統領選挙の半分となる8州に絞り込み、前回並みの8500万ドルの予算で、投入する人員は10万人と倍増する予定だ。
 活動としては、1300万件の電話作戦、300万件の一般家庭訪問、100万人に対する個人的接触を計画している。選挙における労働組合員とその家族による投票数は全体の25%を占めており、依然として影響力は大きい。
 オバマ大統領は6月15日、米国内の不法移民の一部を国外退去の対象外とする「新移民政策」を発表した。これは11月の大統領選挙に向けて、急増するヒスパニック*票を意識した動きである。ヒスパニック系の米国人口に占める割合は約16%でドイツ系や黒人を抜いて、アメリカ最大の民族となる傾向にあり、この20年で倍以上に増えた。さらに大統領選挙で接戦が予想される州のフロリダ(ヒスパニックの人口比約22%)、コロラド(同約20%)、ネバダ(同約26%)の各州は、ヒスパニック票を取り込めるかが勝負を決める重要な鍵となる。
 SEIUは、少数民族や移民などを含む非正規の低賃金労働者を積極的に組織化しており、今回の選挙活動においても、ラテン系住民と黒人住民、それに若年層の浮動層の獲得を重点に取り組むこととしている。
 

*ヒスパニック
 「スペイン語圏出身者」のこと。ラテン系はスペイン語圏だけではなく、フランス語のハイチやポルトガル語のブラジルなどのラテンアメリカ全域の出身者のこと。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.