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No.132(2012/7/6)
インダストリオール・グローバルユニオン誕生

 欧州レベルの産業別労連である、「IndustriALL欧州労働組合」(197組織、約700万人)が本年5月に結成したのに続き、世界140ヵ国5000万人の組織人員を擁する国際レベルの産業労働組合の「IndustriALLグローバルユニオン」の結成大会が6月19~20日、デンマーク・コペンハーゲンで開催された。
 結成大会には、350以上の労働組合から1000人を越える代議員が出席。日本からは、国際産業別労働組合組織(GUF)の国際繊維被服皮革労連(ITGLWF)や国際金属労連(IMF)、国際鉱山化学エネルギー労連(ICEM)の加盟組織代表団が参加した。3組織は6月18日、それぞれ解散大会を開き、統合組織結成を最終確認し、結成大会に臨んだ。
 大会初日の開会式では、コペンハーゲンのフランク・ヤンセン市長、北欧労働組合(Nordic-IN)アルベ・バッケ会長などから歓迎のあいさつがあり、グローバル資本への対抗勢力としての拮抗力を構築し、ディーセントワークと持続可能な未来のために闘う組織としての認識を会場全体で共有した。
 大会初日目は、四役および執行委員が選出され、運動方針である行動計画、規約などを提案・決議した。行動計画を提案したユルキ・ライナ書記長は、「新組織は新たなグローバリゼーションのモデルや民主主義と正義に基づいた人間中心の経済・社会的なモデルを新たにつくるために闘っていく。グローバルレベルの交渉を行ない、強大な多国籍企業の挑戦に取り組む」と強調。続いて行動計画は、[1]組織化[2]労働組合権[3]女性の代表制[3]組合組織内の民主化と労働運動における青年の役割――などに関して、活発な論議が行なわれ、満場一致で採択された。

IndustriALL 役員体制
会 長 Mr. Berthold Huber(ベルトルド・フーバー/旧IMF会長/独IGMetall会長)
副会長(3人) Mr. Senzeni Zokwana(センゼニ・ゾクワナ/旧ICEM会長/南ア鉱山労組会長)
  Mr. Tom Buffenbarger(トム・ブッフエンバーガー/旧IMF副会長/米機械工労組会長)
  Mr. Hisanobu Shimada(島田尚信/旧ITGLWF会長/UIゼンセン副会長)
書記長 Mr. Jyrki Raina(ユルキ・ライナ/旧IMF書記長/北欧金属労連出身)
書記次長(3人) Mr. Fernand Lopes(フェルナンド・ロペス/旧IMF)
  Ms. Monika Kemperle(モニカ・ケンペール/旧ITGLWF)
  Mr. Kemal Ozkan(ケマル・オズカン/旧ICEM)
ライナ書記長略歴
1960年 フィンランド・ヘルシンキ生まれ
1985年 フィンランド化学労働組合 法律・団体交渉担当
1991~2000年 ICEM調査担当、エネルギー担当を経て組織部長
2001~2003年 フィンランド産業労組コンサルタント
2006年 北欧金属労働組合書記長兼欧州金属労連(EMF)運営委員およびIMF執行委員代理
2009年 IMF書記長
2012年 インダストリオール・グローバルユニオン書記長就任
インド国営鉄鋼会社の爆発事故で11人が死亡

 インド南部のアーンドラ・プラディーシュ州にある国営鉄鋼大手のシュトリヤ・イスパット・ニガム社(RINL)のビシャカパトナム製鉄工場に新設した溶鉱炉第2工場で酸素装置の試験操業時に爆発事故が起き、11人が死亡し、多くの重傷者が市内の病院に収容された。
 インド政府の公式統計によると、2006~2010年10月までに国営鉄鋼会社だけで155人の死亡事故、1070人の負傷者を出しており、ビシャカパトナム製鉄工場では、本年5月1日に加熱炉で爆発事故を起こし、2人の契約労働者が死亡している。それに続く今回の事故で、安全管理が問われている。労働組合の代表者は、「充分な熟練者を配置しなかった経営側の怠慢により、重大な事故が発生した」と主張。
 インド金属労働組合連盟・ラジャセカール副会長は、労災死に対し、弔意を表明するとともに経営側の怠慢を強く非難し、「労働者の安全性が向上するためにあらゆるコストをかけるべきだ。事故調査を通じて、調達装置の品質もただす必要がある」と要求した。
 インドは、今年4月のGDP成長率は前年同月と比較し、0.1%と停滞しているが、年平均6%以上の成長が見込まれており、鉄鋼需要の増加が予想される。インドの鉄鋼産業は、好調な経済やインフラ整備政策などの影響もあり、現在世界第5位の鉄鋼生産量を誇る。また、インド政府は2005年に発表した「国家鉄鋼政策」において、2019年までに粗鉄鋼生産量を1億1000万トンにまで引きあげることを目標としている。
 しかし、インド国内で国営企業の生産シェアは40%以下まで低下。この製鉄所はインド最大の民間企業であるタタ製鉄に遅れをとったRINLは、年間精鋼量を2900万トンから6300万トンへ増量するため設備を拡張していた。
 第一フェーズの粗鋼年産6300万トンは、25億ドルを投じ、2012年に達成。第二フェーズとして、2015年までに400万トンの粗鋼生産能力(投資金額14億ドル)をあげるため、さらに400万トンの特殊鋼生産(投資金額50億ドル)を計画している。こうした急激な設備投資拡大が安全管理に影響したと考えられている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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