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No.76(2011/6/8)
フォックスコンとアップルの契約状況
  世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業である、フォックスコン・中国工場と製品委託先であるアップル社を、香港のNGOであるSACOM(Students & Scholars Against Corporate Misbehavior)が調査を行った。フォックスコンとアップルは、2010年深セン工場での自殺事件以来、[1]労働条件[2]労働環境の改善――などを約束したが、履行されていないことが調査で判明した。また、深センの工場では自殺防止用のネットが依然として張られている状況である。さらに成都におけるiPadの新工場では5月20日、突然の爆発により死者2人・負傷者16人という死亡事故を起こしている。
 成都市は第一級プロジェクトとしてフォックスコン社を誘致。フォックスコンの中国における従業員は100万人に膨れあがっており、SACOMがファックスコン製造現場の従業員に対して、インタビュー調査を行った。その結果、過酷な労働条件の改善や有機溶剤などの化学物質対策や職場の換気などが十分ではない――との証言を得た。その報告書を5月6日に発表した。
 SACOMは調査結果を報告書として、5月6日に発表し、[1]爆発事故を起こした成都工場では、約10万人の労働者が地方から集められ、現場でどのような化学物質を使用しているか知らされていない[1]換気装置も十分でなくファックスコン工場群の中でも最も危険な工場と安全面での問題――などを指摘している。その後SACOMは、iPadのアルミを磨く研磨部門でアルミの粉塵が充満し、爆発事故を引き起こしたとの発表。しかしフォックスコンは事故原因を発表せず、労災被災者にも会わせていない。
 
  1年前の約束とその履行状況
  約束事項 実際の履行
採用 法に従って行う 賃金、福利厚生、仕事の場所で誤解を招くような募集広告(注)
賃金 全面的なアップ 賃金計算の誤算や残業手当の未払い
労働時間 残業時間月36時間 月80~100時間、食事時間もなし
安全衛生 適切な保護用具と健康診断 不十分な保護具、使用化学物質の情報を労働者に知らせない
学生労働者 職業訓練生として受け入れ 通常の労働者と同じで夜勤もある
苦情処理 ホットライン設置で適正な労務管理 職場の苦情処理窓口判らない
注、成都の新工場では月額賃金を1600元(1万9200円)の約束で募集したが、実際には1300元(1万6200円)しか支払われていない。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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