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No.63(2011/2/17)
インド・タタ自動車で280人の労働者が正規従業員化へ

 インドのタタ自動車・ジャムシェドプル工場において、2011年2月1日、インド金属連盟労組(INMF)に属するテルコ労組(TWU)と経営側は、一時的に雇用されている280人の労働者に対して、正規従業員とする協定に合意した。この協定によると対象従業員の内訳は、各生産ラインに属している86人の熟練労働者と194人の半熟連労働者である。さらに労働組合側は「3月中にさらに諸調査を行い、ほかの200人の従業員も正規化したい」と述べている。
 この協定の署名者は、テルコ労組委員長でインド労働組合会議(INTUC)の書記長を兼務するラジェンドラ・プラサド・シン氏とテルコ労組書記長のチャンドラブーン・プラサド氏、経営側は工場長のP.K.チョベ氏と事業部長のスマント・シンハ氏となっている。これは2005年2月に3者協定を締結以来、これまでに2100人の従業員を正規化したことになり、大変意義のある組織化の成果となった。

 参考資料:IMFニュース

マレーシア電子産業で労働組合を組織化

 マレーシアでは電子産業の分野において労働組合の組織化は困難であるが、しかし、2011年1月27日、長い闘争の末、女性労働者が大多数を占めている、ムアルのSTマイクロエレクトロニクス社で、新しい電子産業労組南部地区の結成に成功した。これまで電子産業では企業内組合しか認められてこなかっただけに歴史的な成果と言える。
 海岸に位置するムアルには多数の多国籍電子企業が集積して長い間操業しており、2010年8月2日、STマイクロエレクトロニクス社に労働組合の承認を要求して以来、長い道のりであった。会社は労働組合を承認するどころか組合員資格を問題視し、会社が操縦しやすい企業内組合を作ることを含め、産業労組の結成にあらゆる反対手段を策してきた。
 労働組合は国際金属労連(IMF)の支援を受け、会社の対抗策を打ち砕き、組合結成承認の投票まで持ち込んだ。2700人の従業員の中で、約1700人が投票し、組合結成を保証する57%の賛成票を獲得。IMF・ユルキ ライナ書記長が社長に組合承認を受け入れるよう手紙を書き、会社は「法と慣行を守り労働者の権利を尊重する」と約束した。
 投票日の当日、警官や地方当局は人材省が行う投票場の工場に労働者が来ることを妨害しようとしたが、IMF・アルナサラム地域代表が工場の人事部長に掛け合い事なきを得た。1月28日12時30分に投票結果が発表されると、朝早くから集まっていた労働者たちは抱き合って組合承認を喜んだ。

 参考資料:IMFニュース

春季生活闘争・闘争開始宣言

 連合は2月10日、東京・日比谷公会堂において「すべての労働者の処遇改善で、分配の歪みと格差を是正し、デフレ脱却・経済の活性化を図ろう!」をスローガンとする「2011春季生活闘争/闘争開始宣言2.10中央集会」を開き、組合員2080人が結集した。
 はじめに連合・古賀会長は、「日本は長期的なデフレ状況にあり、これほど長い期間でデフレを経験した先進国はない。今のデフレは賃金が下落し、消費者が安いものを求め、そのために価格が下がり、さらに賃金が低下するという新しいデフレの状態にある。この深刻なデフレから脱却するには、賃金を引き上げなければならないことは明らかである。今次春闘の目標は、家計と企業の分配バランスの歪みを解消し、労働条件を復元させ、格差の是正を図る。そして、GDPの約6割を占める家計の消費支出の増大により内需を拡大し、デフレ経済からの脱却を図り、日本経済・社会を健全な状態へと回復していくことである。 また、組合未加入の非正規労働者についても、処遇改善は労働組合がやるべきことである。したがって、すべての労働組合がすべての働く者のために1%を目安に適正な配分を追求する取り組みを展開していく必要がある。すべての働く者のために共にがんばろう」と力強くあいさつした。
 続いて、共闘連絡会議より西原自動車総連会長、小柳JEC連合会長、佐藤生保労連委員長、種岡電力総連会長、山浦運輸労連委員長、中小共闘より河野JAM会長、非正規共闘より八野JSD会長――が2011春闘に臨むにあたっての決意表明を行った。
 最後に連合・南雲事務局長から、「2011春季生活闘争」の課題と今後の取り組みが提起され、「闘争開始宣言」を参加者全員の拍手により採択し、岡本会長代行による「団結ガンバロウ」で閉会した。

2011春季生活闘争「闘争開始宣言」

 2011春季生活闘争は、いよいよ火蓋を切った。
 日本経済は、国内需要不足と欧米の経済停滞、円高の影響の中で、先行きへの不透明感が強まっている。デフレは継続、賃金は低下し、現金給与総額は、近年のピーク時から5%以上も減少している。非正規労働者は増大し、格差は拡大、年収200万円以下の層が1000万人を超え、生活保護を受けた世帯数も過去最高の141万世帯にものぼり、今春の新卒採用も過去最悪にあることが懸念されている。
 現在のデフレは、賃金低下が価格に連鎖する新しいかたちのデフレである。にもかかわらず、経営側は、このデフレの本質を理解せず、人件費抑制の姿勢を崩そうとしていない。このまま賃金が低下しつづければ日本経済は低成長とデフレの悪循環から抜け出せず、日本は崩壊の道を歩むことになりかねない。現在の日本の社会と労働の歪みを生み出し、格差を拡大させてきたコスト削減偏重の経営のあり方を何としても跳ね返さなければならない。
 いまの経済社会の歪みは、わが国経済社会の再生という切り口で捉えなければ解決できない。われわれの闘いの目標は、家計・企業のバランスの歪みの是正、労働条件の復元、格差の是正をはかり、GDPの6割を占める家計の消費支出を増大させ、内需の縮小を食い止め、日本経済を健全な状態に回復していくことである。縮み志向の経営姿勢を転換、働くモチベーションの向上と積極的に人への投資を行わせ、持続的な成長へとつながる好循環を構築していくことである。
 経済や産業の発展は人の幸せのためにある。今こそ「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」としたILOフィラデルフィア宣言の原点に立ち返り、労働運動の本来的な存在意義を発揮することこそ、期待されている。
 今日から本格的な闘いのスタートである。スローガンに掲げた「すべての労働者の処遇改善で、分配の歪みと格差を是正し、デフレ脱却・経済の活性化を図ろう!」の実現に向け、共闘を軸にすべての組合がおかれた環境のもと、1%を目安に適正な配分を要求し、労働条件の復元・格差の是正を実現しよう。この集会を起点に、職場・地域から闘いを巻き起こし、未組織、パート労働者を含むすべての働く仲間たちに闘いの輪を広げ、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざそう。連合は、ここに2011春季生活闘争の開始を宣言する。

2011年2月10日 連合2011春季生活闘争開始宣言集会

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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