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No.17(2010/1/22)
欧州労連(ETUC)がEU・コロンビア自由貿易協定に反対決議

 欧州労働組合労連(ETUC)は、2009年12月1日~2日、執行委員会を開き、欧州連合(EU)に対して、交渉中のコロンビアとペルーとの自由貿易協定(FTA)交渉に反対する決議を採択した。また、コロンビアには「過去8週間の間に少なくとも、10人の労働組合活動家が殺害され、組合関係者の犠牲者が続いている」として、強い怒りを表明した。
 「特恵関税制度(GSP)」の受益国に求められている「社会的条件の確保」というEUの政策との一貫性をもったアプローチをETUCは要求している。上級代表が加わった新たなEUの委員会に対してコロンビアによる人権や『労働基本権』の遵守に向け、交渉の進め方を見直すよう強く要請した。
 英国一般労働組合(GMB)は「コロンビアは労働組合にとって世界で最も危険な国である。2007年には労組関係者39人が殺害され、2008年の犠牲者も49人にも達した。1986年以来2,712人も殺害されているが、起訴されたケースは4.4%にすぎない」としてコロンビア政府の無策を批判し、EUはコロンビアのFTAに反対している。
 2009年12月9日には欧州議会において、コロンビに関する特別聴聞会が組合とNGOの要請を受け開かれ、ETUCからはモンクス書記長と殺害されたコロンビアの労働組合指導者ホヨシ氏の遺児も出席した。また、コロンビアにおけるホヨン氏の人権活動に対してアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)は人権賞を贈っている。
 国際労働組合総連合(ITUC)加盟のコロンビア労働者統一連合(CUT)も市民の基本的人権を守ることができないウリベ大統領とその政府の政策を認めることになるとして、現状でのEUとの貿易協定に反対している。米国議会とカナダ議会もコロンビアとの貿易等の協定に関する議案通過を阻止しているだけではなく、ノルウェー議会も欧州自由貿易連合(EFTA)・コロンビア協定の批准を否決した。
 EUはEU市場へのアクセスにおいて、開発途上国に対して特恵関税(GSP)による特典を与えているが、途上国によっては、追加的な特典として“GSP+”が適用される。その条件としては人権や労働基準、持続的開発および“グッド・ガバナンス”の分野で国際基準の遵守が挙げられている。また、国際基準のなかには「ILO中核的8条約」も含まれている。
 EUは2003年にアンデス共同体(CAN)との間で、政治的対話や協力の枠組み協定に署名しているがETUCはこの協定を支持した当初の目的が無視されていると懸念を表明している。CAN加盟国であるコロンビアやボリビア、エクアドルは「ILO中核的8条約」すべてを批准しており、準加盟国のアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリもすべての中核的ILO条約を批准している。同じ準加盟国のブラジルは87号条約のみ未批准であるが、他のILO中核的条約はすべて批准している。

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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