現地支援事業

外務省 日本NGO支援無償資金協力事業 実施プロジェクト

モンゴルにおける労働組合による
労働安全衛生(POSITIVE)活動実施報告書

実施事業概要

1.POSITIVE地域セミナー

(1)POSITIVE地域セミナー(バヤンホンゴル県)
実施時期 2006年7月4日~6日の3日間
開催地 バヤンホンゴル県
参加者人数 35名
日本からの派遣者 外山尚紀 専門家、柳谷公彦 現地支援事業部員
(2)POSITIVE地域セミナー(ウブルハンガイ県)
実施時期 2006年9月13日~15日の3日間
開催地 ウブルハンガイ県
参加者人数 25名
日本からの派遣者 なし
(3)POSITIVE地域セミナー(ドルノゴビ県)
実施時期 2006年10月4日~6日に3日間
開催地 ドルノゴビ県
参加者人数 34名
日本からの派遣者 なし
(4)POSITIVE地域セミナー(フブスグル県)
実施時期 2006年10月17日~19日の3日間
開催地 フブスグル県
参加者人数 30名
日本からの派遣者 なし

2.POSITIVEコアトレーナー育成セミナー

実施時期 2006年11月30日~12月3日の4日間
開催地 ウランバートル市
参加者人数 39名
日本からの派遣者 外山尚紀 専門家、柳谷公彦 現地支援事業部員

3.器材供与

(1)ノートパソコン
供与場所 CMTU本部、バヤンホンゴル県CMTU、ウブルハンガイ県CMTU
台数 上記箇所に各1台の計3台
(2)デジタルカメラ
供与場所 CMTU本部、バヤンホンゴル県CMTU、ウブルハンガイ県CMTU
台数 上記箇所に各1台の計3台
(3)プロジェクションスクリーン
供与場所 CMTU本部、バヤンホンゴル県CMTU、ウブルハンガイ県CMTU
台数 上記箇所に各1台の計3台
(4)OHPプロジェクター
供与場所 CMTU本部、バヤンホンゴル県CMTU、ウブルハンガイ県CMTU
台数 上記箇所に各1台の計3台
(5)LCDプロジェクター
供与場所 CMTU本部
台数 上記箇所に1台
(6)カラープリンター
供与場所 CMTU本部
台数 上記箇所に1台

4.教材作成

(1)トレーナーズマニュアル:1,200部
(2)アクションマニュアル:1,200部

実施事業詳細説明

1.POSITIVE地域セミナー

(1)目的
  • これまでに国際労働財団が支援して育成してきたコアトレーナーによる各地域におけるトレーナー育成
  • 供与器材を用いたコアトレーナーのスキルアップ
(2)実施内容
  • 建設産業、電力産業、通信産業、食品産業等で活動している労働組合役員を対象に研修は行われた。
  • トレーニングでは、「資材の運搬・保管」、「安全な機械操作」、「作業場」、「作業環境」、「福利厚生施設」、「環境保護」の6つの研修分野について行われた。
  • セミナースケジュールは、「訪問工場でのアクションチェックリストエクササイズ」→「各研修分野の説明」→「訪問工場の良かった点と改善点各3点をグループディスカッションで決定し、発表」→「アクションプランの策定」を中心に行われた。講義形式ではなく、参加者が積極的にセミナーに参加できる参加型セミナーであった。
  • 各セッションのファシリテーションは、現地コアトレーナーが行った。外山専門家は、コアトレーナーのファシリテーションを客観的に評価し、必要に応じてコアトレーナーにアドバイスを行った。また、供与器材の活用方法や他国におけるPOSITIVEプログラムの展開状況についても紹介した。
(3)成果
  • 計4回の地域セミナーにより、POSITIVE手法による労働安全衛生改善が行えるトレーナーを124名育成することができた。
  • セミナー中に策定したアクションプランにおいては、ほとんどの参加者から「各職場でセミナーを行う」、「経営側と協力して改善活動を行う」との発表を得る事ができた。
  • アクショプランの実施結果は、各地方組合の会長を通してCMTU本部に報告され、各参加者の自主的な取り組みも確認することができた。

2.POSITIVEコアトレーナー育成セミナー

(1)目的
  • モンゴル国内及び各地域で中核的な存在として労働安全衛生活動を推進できる人材の育成
  • コアトレーナーの間の経験交流
(2)実施内容
  • 計124名の地域セミナー参加者の中から、地域セミナー参加後の活動実績等を判断し、計39名に絞って研修を行った。尚、改善結果が分かる写真の提出を参加条件とした。
  • セミナースケジュールは、「写真を用いたコアトレーナーの改善活動報告」、「モンゴルにおけるPOSITIVEプログラムによる裨益効果の確認」、「他国の経験学習」、「OSHマネジメントシステム紹介」、「今後の行動計画策定」であった。
  • 地域セミナーと同様に、セミナーのファシリテーションは、現地コアトレーナーが行った。OSHマネジメントシステムの紹介等のスキルアップ教育に関しては、外山専門家により行われた。
(3)成果
  • 一年間の総括としての本セミナーにおいて、地域セミナー受講時点ではトレーナーの卵であった39名が、セミナー受講後の自主的な活動を通してコアトレーナーとして活動していくであろう事を確認することができた。それは、計39名で合計353件の改善を行ったことや各職場においてセミナーを主催しトレーナー育成を行っている事等から確認できる。
  • 各参加者は、他のトレーナーの経験(改善活動)や外山専門家の講義からより一層のスキルアップを図る事ができた。

3.器材供与

(1)目的
  • 教材作成及びセミナー開催のため
(2)実施内容
  • 予定された器材供与が、予算に基づいて計画的に行うことができた。
  • 保管場所については、地方では各トレーニングセンターに、CMTU本部では国際局事務所に管理されることとなった。管理責任者は、当初申請どおりスフバータル国際局長とした。
  • ODA広報の観点から、ODAシールを全ての供与器材に添付した。
  • 供与器材は、予定どおり事業期間終了後、CMTUに譲渡することとし、別紙のとおりCMTUと譲渡契約書を締結した。
(3)成果
  • 12月出張時に、7月に供与したバヤンホンゴル県のトレーナーが供与器材を活用して改善事例写真の収集やプレゼンテーション資料の作成を行っている事を確認。また、自主的にセミナーを開催した際には、OHPプロジェクターを効果的に活用した事もヒアリングにて確認している。

4.教材作成

(1)目的
  • 自主的なPOSITIVEセミナー実施及び改善活動促進
(2)実施内容及び成果
  • モンゴルの写真を活用したマニュアルが予定どおり作成されたことを確認した。

総括

国際労働財団としての総括

  • この一年間の活動に対して、政府代表者(オドン・チメド大臣)、現地労働組合役員、参加者等から多くの感謝の言葉を頂き、我々の活動がモンゴル側からも評価され非常に実りのある活動ができたといえる。
  • 具体的には、一年間で新たにトレーナーを育成し、彼らをコアトレーナーとして育成するべくスキルアップ教育を行うという計画を確実に達成する事ができた。これは、現地労働組合の協力、日本人専門家の側面的な指導、必要かつ十分な供与器材と教材の提供により実現できたと言える。これは、我々の支援により労働者や労働者の代表が中心となって労働条件の改善に自主的かつ積極的に関与していくための地盤(人材育成)を築くことでできたと言える。
  • 本プログラムは、政労使における安全衛生中期計画の中において安全衛生改善にとって効果的なプログラムであることが確認されており、今後は政府や経営側の協力も得ながら労働者の視点に立った安全衛生改善活動の継続を期待したい。