活動報告 労使関係開発

ベトナム VGCL/JILAF労使関係セミナー

2024.01.25掲載
開催: 2023.06.12 2023.06.16
ハノイでの集合写真
023.6.12 ~ 2023.6.13(ハノイ)/ 2023.6.15~2023.6.16(ホーチミン)

国際労働財団(JILAF)は、ベトナム労働総同盟(VGCL)との共催で、6月12日~13日にベトナムのハノイ、6月15日~16日にホーチミンで労使関係セミナーを開催しました。同セミナーには、全国の労組指導者など65名が参加しました。

セミナーでは、「責任のあるサプライチェーン」における労働組合の役割をテーマとして、現地労組やILO、JILAFが講義やデータ分析の報告等を行い、その後、グループディスカッションを行いました。

 

2021年、ベトナムはCOVID-19の影響によりGDP成長率は2.6%と低い成長率となったものの、2022年は8.0%まで回復し、ASEAN内では安定した成長率を記録しており、約2,000社の日系企業が進出しています。一方で、都市部と地方農村、また、都市部内でも貧富の差の拡大や労使衝突が起きている現状もあります。そのような現状下で、不要な労使紛争の発生を防ぐべく、本セミナーを開催しました。

 

1日目は、JILAF役員から「責任あるサプライチェーンデューディリジェンス」について講義があり、労働者の権利侵害に対する予防の重要性について言及しました。その中で、ILOから、ベトナムは多国籍企業の増加が見込まれる状態にあるため、責任あるサプライチェーン基準の構築が必要であり、それにおいては、政労使の対話が重要であることの指摘がありました。引き続いて、JILAF役員が「 ①国際基準(OECDガイドライン、ILO条約等)の紹介及びそれに沿った各国の実施例、②労働組合の団結権、団体交渉権を活かした役割及び事例、③上流、下流サプライチェーン、各行程における労働組合の関わり方、④建設的な労使関係、対話を通した問題解決」等の講義をしました。

2日目についても、JILAF役員から「日本の労働運動の歴史と役割と今日的課題」について講義し、参加者からは、日本の労働組合のあり方について多くの質問が寄せられました。最後に、組合員に対して提供する価値の3テーマ「①労働組合の責任あるサプライチェーンの取り組みに対する課題、②労働組合の効果的な参画方法、③VGCL」についてグループディスカッションを行いました。

参加者の様子

  • ハノイでのJILAF役員講義の様子
  • ホーチミンでのセミナーの様子