活動報告 各国の労働事情報告

2022年 ウズベキスタンの労働事情 (ユーラシアチーム)

2022年7月1日 報告

本報告は2022年6月27日~7月1日にJILAFが実施した招へいオンラインプログラム(アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、ジョージア)における、ウズベキスタンの参加者から報告された「ウウズベキスタンの労働事情」および、同提出関連資料に基づいて作成した。

ウズベキスタン労働組合連合(TUFU)

  • ウズベキスタン労働組合連合(TUFU) 副会長
  • ウズベキスタン労働組合連合(TUFU) 労働者福祉局 局長
  • ウズベキスタン労働組合連合(TUFU) 労働者保護局 局長
  • ウズベキスタン労働組合連合(TUFU) 国際局 シニアスペシャリスト

(1)国の規模感

・人口
 ウズベキスタンの人口は3346.9万人である。
・産業別人口構成
第1次産業 第2次産業 第3次産業
ウズベキスタン 24.6% 29% 46.4%
・国内総生産成長率(2021年)
 ウズベキスタン:-2.1%
・一人当たりの国民総所得
 ウズベキスタン:1800ドル

(2)報告事項

人口動態は綺麗な釣り鐘型を描いており、年少人口が28.8%、生産年齢人口が66.4%、老年人口が4.8%である。まず給与だが、2020年と2021年の給与を比べると、100万スム以下の労働者が40%から34.5%に下がり、200万スムから400万スムの労働者が22.3%から24.7%に上がっている。この傾向は400万スム以上の労働者も同様に割合が上がっている。しかし、100万スムは日本円にすると1万5000円である。高額所得労働者が増えているとはいえ、この100万スム以下の層が最も多いことは、大いに問題である。また、綿花栽培と関係する児童労働の撲滅にも力を入れており、2017年には撲滅を宣言した。労働人口としてカウントされる人の数は約1932万人だが、この内、労働力として活動している人々の数は約1522万人、その内約612万人が正規セクター、約549万人が非正規セクターで働いている。失業者は約141万人である。しかし失業者の定義があいまいで、実際にはもっと多いと思われる。
ウズベキスタンのナショナルセンター(TUFU)は1990年に設立され、14の加盟産別がある。ICTUにも加盟している。三者協議会のメンバーとして、政府と対話を進めている。パンデミックに対する危機特別委員化の活躍は目覚ましいものがあった。団体協約の数は、産別105、地域354、団体協約総数は11万である。春闘にあたる統一交渉プロセスを行っている。