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最大公務員労組のAFGEが政府機関再開への暫定予算を要求

2025.11.04掲載

10月27日のワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどは「アメリカ公務員連合会(AFGE)が国民医療保険補助金延長に反対する共和党の主張に沿う形で、閉鎖政府機関の即時再開を求めて暫定予算を要求した」と報じた。

80万人以上の連邦公務員とDC地区公務員を代表するエベレット・ケリーAFGE会長は「政府機関の閉鎖で国を動かす人たちが被害を受けている。両党共に見解を表明したが解決策は見いだせなかった中、今日は私が見解を表明する。明確な解決と政府機関再開の時が来た。中途半端なゲームの時はない。公務員すべてに給与全額を保障して仕事に戻しなさい。今日直ぐに。」とする声明を発表した。

政府機関の閉鎖は現行支出を7週間延長するという予算案が下院を通過した後、上院での否決に遭遇して10月1日から始まった。争点は民主党が要求する今年末期限の国民医療保険への補助金延長に共和党が応ぜず、「協議は政府機関再開の後」と主張していることにあるが、こうした経過の中で、無給公務員への給与支払いが阻止される状況も起きており、今回のAFGE声明は公務員削減反対などで民主党と歩調を揃えてきた同労組の明らかな方針転換と見られる。

今回の政府機関閉鎖により67万人がレイオフ、73万人が無給状態にあると言われるが、トランプ政権はこの機会にも大量解雇を続け、好まない政府計画をキャンセル、レイオフ公務員への未払い給与支払いも拒否するとの脅しをかけている。

AFGE声明は上院民主党にプレッシャーがかかると見られるが、上院100名の内60名の賛成を必要とする上院では民主党から5名の賛成が必要となる。しかし、労働者の支援を背景にする上院議員の何れもが「国民医療保険継続への共和党の賛成がなければ態度は変えられない」と言明する。Affordable Care Act(手頃な価格の医療法)と呼ばれる国民医療保険には低所得層を中心とする2,000万人が加入しているが、補助金が打ち切られると保険料の値上げやサービスの縮小を余儀なくされる。
民主党は政府再開にトランプ大統領との直接会談を要求しているが、大統領は政府機関再開が先決だとして主張して譲らず、トランプ政権への不信感は募るばかりにある。

以上