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ローマ法王が移民規制緩和への運動をシカゴ労組に強く要請

2025.10.27掲載

10月9日のワシントン・ポストやOSVニュースなどが「レオ14世ローマ法王はバチカン訪問中のシカゴ労組巡礼団に対し、トランプ政権が強める移民規制に反対して、米国への移民促進と少数民族優遇への運動を進めるよう強く要請した」と報じた。

米国イリノイ州シカゴ出身の法王は米国労組による移民・避難民への食糧支援や住居提供などに感謝しつつ、「コミュニティの安全に適切な政策が必要なことは認めるが、社会が弱者の人間的尊厳を尊重する運動は引き続き進めて欲しい。米国労組が徒弟制度や職業訓練を通じて少数民族の人たちの労働運動参加を進めていることも力に思う。同時に代替可能エネルギーへの技術教育により環境を守る労働運動は我々の家庭を守るうえでも急務を要するものだ」と語った。

労組巡礼団はカトリック労働ネットワークが組織したもので、シカゴ労働連盟、サービス労組、UNITE/HERE、チームスター労組、IAM機械工労組、レイバラーズ労組が参加したが、イタリア労働組合訪問を予定して、移民やAI、環境問題が労組活動に与える影響について議論を交わす。

シカゴ地域では移民政策を巡ってデモ隊と移民当局との衝突が繰り返されており、国家警察が導入される事態にあるが、労組幹部に同道したシカゴのキューピッチ枢機卿は「法王は現在の状況を十分に理解しつつ、移民と貧しき人たちには人間的尊厳が尊重されねばならないことを明言された」と述べた。

さらに同枢機卿は「法王は移民問題について、米国の枢機卿が声を一つにして取り組む必要を強調されており、11月開催の米国カトリック枢機卿大会では移民問題がトップ議題となる」と付け加えた。トランプ政権の移民政策により家族の離散や追放の恐怖に置かれた人たちが急増する中、米国カトリック教会の各指導者はトランプ政策反対を表明しているが、政権は公共の安全と国家安全保障のために必要な措置だとしている。

キューピッチ枢機卿は移民を援助するイリノイ州のダービン民主党上院議員の表彰を決めたことがあるが、同議員の妊娠中絶賛成に反感を持つ保守的枢機卿の反対で表彰が辞退された経緯がある。先週、法王は表彰への賛意を表した。

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