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スロバキアで財政緊縮政策に反対して全国スト

2025.10.01掲載

9月23日のワシントン・ポストとMSNニュースなどが「スロバキアの親露フィツォ首相政権による緊縮政策に反対して首都で1万人、全国各地でも数千人のストライキが展開された」と報じた。

緊縮政策は政権が承認し現在議会で審議中だが、反対運動は1週間前に首都ブラチスラバなど16都市で始まり、現在は19都市に拡大している。
政府は緊縮政策がEU諸国の中でも最高の財政赤字を27億ユーロ削減するためと説明しているが、企業や労働組合など反対派の団結は強まっている。

緊縮政策には健康保険料や社会保険料の値上げ、高額所得者への増税、特定食品への付加価値増税、公務員とその給与の削減、そして3日の国民祝日廃止があるが、野党の進歩スロバキア党、自由と団結党、キリスト教民主党、民主党は「フィツォ首相はスロバキアの現実を見失った。これで終わりだ。抗議活動は11月7日の1989年チェコスロバキア反共産、ビロード革命記念日に向けて高めてゆく」と言明した。しかし、当時高まった民主主義、政治的自由への勢いはなく、国民の大半が反対運動に参加する可能性は薄いと言われる。

スロバキアはビロード革命による共産主義体制の崩壊を経て、1993年にチェコとの連邦を平和裡に解消して独立、2004年にNATO、EU加盟を実現した。

フィツォ首相政権は2023年の総選挙で、親露・反米を唱える左翼SMER党の4度目の勝利で誕生したが、EUのウクライナ政策に公に反対。独裁者と言われるハンガリーのオルバン首相と路線を同じくしている。議会での連立与党は150議席中79の議席の僅差にあるが、スロバキア法をEU法に優先させるとする憲法改定にも取り組むなどで、SMER党はEU社会党から除名の動きも出ている。

以上