ボーイング国防部門の労働組合がストライキ
8月4日のワシントン・ポストとBBCなどが「ボーイング社のミズーリとイリノイ州工場において3,200名の機械工が会社提案の労働協約を拒否してストライキに入った」と報じた。
ここでは戦闘機や武器類が生産されているが、ストライキは1990年代以来のことであり、巨額の財政赤字と生産調整、一連の安全問題に直面する同社にとって新たな脅威となるが、同社ギリアン副社長は「ストライキへの準備には備えた。現有労働者により顧客サービスには万全を尽くす」と語る。会社提案は4年協約で40%の賃上げ、5,000ドルのボーナスと言われる。
しかし、今回は昨年ストよりも遥かに小規模となる。33,000名による昨年11月までの2ヶ月ストでは売上の中心となる商業機の生産がストップされ、労働組合は過去最高の賃上げを勝ち取った。今回は機械工労組(IAM 60万)の837地区によるものだが、ここではF-15 やF/A-18戦闘機、そしてミサイルが生産される。ここでの1996年のストライキ当時はマクダネル・ダグラス社だったが、同社はその後ボーイング社に合併された。
問題が発生したのは2018年と2019年、ジャカルタ離陸後とエチオピア離陸後の737Maxジェット機による2度の致命的事故で346人が死亡、法規違反問題にも曝された。
2024年始めには飛行中の737Maxジェットのドアパネルが離脱する問題が発生、安全管理上の監督責任が指摘され、連邦航空局からは同機生産に各種の制約が命じられた。
今年6月にはインド航空のボーイング787機によるアーメダバッド空港離陸直後の墜落事故が発生したが、7月公表の予備情報にはメーカーへの勧告はなく、パイロット・ミスが示唆された。
会社業績はパンデミックによる旅客減少を経て、最近に至りようやく安定の兆しを見せ、赤字の縮小やカタール航空からの210機受注などが見られる。
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