活動報告 メールマガジン

労働組合指導者の2人が民主党全国委員会を離脱

2025.07.01掲載

6月15日のニューヨーク・タイムズと16日のワシントン・ポストは「アメリカ教員組合(AFT)のワインガーテン会長とアメリカ州・地方自治体公務員組合(AFSCME)のサンダース会長が民主党全国委員会(DNC)のマーティン議長との意見の違いからDNC役員を辞退すると表明」と報じた。

民主党全国委員会は4年ごとの大統領候補指名の全国大会主催などの役割を持つが、通常時の政策には関与しない。しかしながら現在政権を離れ、トランプ政権に対抗できる政策と指導者を模索する民主党にとって、両氏の離脱はDNC内における信頼関係の大きな欠如を露呈する。両氏は離脱声明の中で「マーティン議長のもとでの民主党の進展は望み得ない」と述べた。

今年2月のDNC議長選挙を巡って両氏は対抗馬であったウイスコンシン州のウイクラー議長を支援したが、選挙後マーティン議長は両会長を規約委員会から除名した。規約委員会は大統領候補選定の日程や段取りを決める役割を担うが、同会長は長期間にわたりDNC委員と規約委員会委員を努めた。

DNC辞退に当たりワインガーテン会長は6月5日の議長宛声明で「民主党員であることを誇りに思うが、現在の指導部とは歩調が揃わないようだ。これ以上、なぜ戦線を広げて多くの社会に接触しないのかと言い続けたくはない」と書いた。AFT組合員は180万人を数える。

他方、140万のAFSCMEサンダース会長は5月27日に辞退を声明したが「公務員が空前の攻撃に曝されている今、労働者の行末を深く考え、相談を重ねて辞退を決断した。今や新たな時代にあり、新たな戦略、新たな価値への挑戦が必要だ。門戸を閉ざして内向きになる時ではない。門戸を開き人々を迎え入れ、我々の将来を築くべき時だ」と書いた。

マーティン議長には最近、民主党内部から疑問や批判が出されているが、5名の副会長の内のホッグ副議長からは議長に挑戦する形で、指導部に長い間禁句とされた「危機的状況の中でも議席にしがみつく古く無能な老人政治を終わらさなければならないとの主張」が表明され、「来年の中間選挙では予備選挙の段階で草の根党員の支援と無能議員を追放するための数百万ドルの予算計上」が提案された。

25歳の彼は2018年のフロリダ州パークランド高校銃撃事件に遭遇、ハーバード大学卒業後から、歯に衣を着せぬ発言を展開している。ホッグ副議長を支援するワインガーテン会長は「羽毛の毛直しも必要」と評した。

同副議長はその他、全薬品の法規制、10億ドル以上の資産保有禁止、10億ドル以上所得への100%課税を主張しているが、DNC内では技術的理由による副会長再選挙が求められ、ホッグ氏は先週辞任した。

以上