2025年 チリの労働事情(中南米チーム)
以下の情報は招へいプログラム「中南米チーム」参加者から提出された資料をもとに作成したものである。
参加者情報
- チリ中央統一労働組合(CUT)
基本情報(外務省データ2025年9月19日更新分より)
人口:約1,976万人(2024年 世銀)
宗教:カトリック(15歳以上人口の42%)、福音派(15歳以上人口の14%)など
政体:立憲共和制
主要産業:鉱業、農林水産業、製造業(食品加工、木材加工)
GDP:3,303億ドル(2024年 世銀)
物価上昇率:4.8%(2024年(推定) チリ中央銀行)
1, 労働事情について
直近に発生した(もしくは発生している)労働争議について
2023年、小売業で働く多くの若年労働者が、ハラスメントや販売目標に対する過剰なプレッシャーの慣行を告発した。労働組合が介入し、労働者・企業・労働当局による三者対話テーブルを設け、次の成果を得た。
- 職場でのハラスメント防止のためのプロトコル。
- 集団協約における若年労働者向けの特別条項の導入。
- 労働組合青年リーダーシップに関する研修の場の設置。
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労働法について
- 現状:
- 労働法典は、労働時間、団体交渉、ストライキ、労働安全、母性・父性保護を規定している。
- 主な改革:週労働時間を40時間に短縮(2028年まで段階的に実施)。この改革ではCUTが中心的役割を果たした。
- テレワーク法(デジタル切断権を含む)も、CUTの貢献で推進された。
- 課題と取り組み:
- 若者を中心に、不安定雇用・非正規雇用が依然として存在。
- デジタルプラットフォームなど新興分野における低い組織率。
- CUTは青年の組織化キャンペーン、産業別交渉の提案、労働組合民主主義の強化を推進してきた。
- 改革の動向:
- 産業別・部門別交渉への移行(CUTの戦略的優先課題)。
- 青年労働者の労働参加の拡大とジェンダー平等の推進。
社会保障制度について
- 現状:
- 制度には年金、健康、失業、家族手当が含まれる。
- 年金は積立方式に基づくが、低い退職給付が問題視されている。
- 課題と取り組み:
- 非正規または断続的に仕事に就く若者へのカバーが不十分。
- 初職で社会給付にアクセスすることの難しさ。
- CUTは、連帯的かつ普遍的な年金改革の推進、公的医療や若者向け社会保障の改善要求において中心的役割を果たしてきた。
- 改革の動向:
- 連帯性を強めた新しい年金制度に関する国民的議論。
- 若年層の母性・父性や育児支援プログラムの拡充(仕事と家庭生活の両立に資する)。
その他特質事項
チリ最大の労働組合本部であるCUTは、ディーセント・ワークの擁護、社会保障の強化、労働組合における若年層の参加促進において、今後も中心的な役割を果たし続ける。CUTは使命として、より公正で包摂的で連帯に基づく労働・社会モデルへと前進することを掲げている。
