2025年 カザフスタンの労働事情(ユーラシアチーム)
以下の情報は招へいプログラム「ユーラシアチーム」参加者から提出された資料をもとに作成したものである。
参加者情報
- カザフスタン労働組合連盟
基本情報(外務省データ2025年12月18日更新分より)
人口:2,080万人(2025年:国連人口基金)
宗教:イスラム教(69.2%)、キリスト教(17.2%)、無宗教(2.3%)、無回答(11.0%)(2021年:カザフスタン国勢調査)
政体:共和制
主要産業:石油・天然ガス、鉱業、農業、冶金・金属加工
GDP:2,914.8億ドル(2024年:IMF)
物価上昇率:8.7%(2024年:IMF)
1.参加国におけるホットトピックスと、具体的な内容について
労働法制の現状と課題
- カザフスタンの労働法は、2015年の労働法と関連法に基づき、労働者の権利(安全な労働条件、公正な賃金、団体交渉の自由など)を保障している。
- 国際労働機関ILOの主要条約を批准し、国内法に統合している。
- 労働組合連合(FTURK)は、労働法や労働組合法の改正、非公式雇用対策、若者の労働権利意識向上などに取り組んでいる。
- 主な課題は、低賃金、賃金遅配、集団的合意の限定的カバレッジ、アウトソーシングやデジタル化による労働者の脆弱性である。
- 近年の成果では、賃金遅配の減少、最低賃金の倍増、リモートワーカーの権利拡大、職業安全性のリスクベースモデル導入などがある。
- デジタル化やAIの進展に伴い、労働市場への影響や労働者の再訓練、権利保護、「公正な移行」原則の導入が議論されている。
- 労働法改正のトレンドは、職業安全性の強化、リモート・柔軟な働き方の制度整備と運用の明確化、若年労働者保護、消費者物価指数などの経済指標に連動させて賃金を調整し、インぐれによる実質賃金の低下を防ぐ賃金のインデックス化など、労使バランスと社会的パートナーシップの強化に向かっていることである。
社会保障制度の現状と課題
- 社会保障制度は年金、医療サービスへのアクセスを保障する義務的健康保険、社会保険給付、家族支援策で構成され、年金は連帯型と積立型の両方を組み合わせている。
- 2020年以降、年金・失業・出産等の生活リスクをカバーする強制的な社会健康保険(MSHI)制度が導入され、基本的な医療パッケージが提供されている。
- 低所得世帯や大家族、若者向けの支援プログラムも整備されている。
- 課題は、年金水準の低さ、医療サービスの地域格差、社会的援助のターゲティングの不十分さ等がある。
- FTURKは、社会基準の引き上げ(賃金・社会保障・医療等を含む)、予防的健康プログラムの開発、公平な年金政策、家族支援の拡大を提唱している。
- 具体的な取り組みとして、集団的合意のカバレッジ拡大、賃金のインデックス化、若者の金融・デジタルリテラシー向上、AI・自動化時代への適応支援などがある。
- 改革のトレンドは、年金の段階的増額、デジタルサービスの導入、社会的援助のターゲティング改善、全国開発プログラムへの社会基準の組み込み、危機時の労働者支援基金の設立、企業の社会プログラム推進などである。
