2025年 アゼルバイジャンの労働事情(ユーラシアチーム)
以下の情報は招へいプログラム「ユーラシアチーム」参加者から提出された資料をもとに作成したものである。
参加者情報
- アゼルバイジャン労働組合連盟
基本情報(外務省データ2025年10月29日更新分より)
人口:1,050万人(2024年:国連人口基金)
宗教:主としてイスラム教シーア派
政体:共和制
主要産業:石油・天然ガス、石油製品、鉄鉱など
GDP:766億ドル(2023年:IMF推計値)
物価上昇率:8.2%(2023年:IMF推計値)
1.参加国におけるホットトピックスと、具体的な内容について
労働法制の現状と課題
- アゼルバイジャンの労働法は、憲法と1999年制定の労働法に基づき、労使関係、従業員の権利、雇用主の義務、労働条件、社会保険などを規定している。
- 三者間(政府・雇用主・労働組合)の社会連携があり、最低賃金や労働安全基準、脆弱層への保障も整備されている。
- アゼルバイジャンでは、労働契約は国家が運営する電子雇用契約登録システムに登録することが義務づけられており、このデジタル化の進展によって、透明性と効率性が向上している。
- 一方で課題として、非公式雇用や労働契約が形式上は締結されているものの、上記システムへの登録が十分でなく、実態を正確に反映していない不完全な契約、労働安全基準違反、団体交渉文化の未成熟などが挙げられる。
- 2024年の法改正で雇用契約の電子化、雇用主の義務強化(保険料支払い等)、女性の就業制限職種の大幅削減などが実施された。
- 労働組合(AHIK)は、社会対話推進や労働条件監視、法改正への貢献、組合員への法的支援などに取り組んでいる。
- 今後は、デジタル経済やプラットフォーム雇用の進展を踏まえ、労働者保護や紛争解決メカニズムの強化が検討されている。
社会保障制度の現状と課題
- 社会保障制度は、年金、公的健康保険、社会扶助、家族支援プログラムなどで構成され、年金は三層構造になっている。
- 2021年から国民皆保険となり、医療サービスのアクセスと質が向上している。
- 低所得世帯や障がい者、戦争参加者家族などへの支援が充実し、家族支援策や各種手当も整備されている(例:出産一時金600マナト、児童・養子・遺族・多子世帯等への月額手当)。
- 課題は、給付水準の低さ、医療・福祉サービスの効率性、非公式雇用による保険未加入などが挙げられる。
- AHIKは、給付拡充や保険適用拡大、脆弱層保護強化を提唱している。
- 政府は公的健康保険の全国導入、デジタルサービスの改善、年金・社会保障の段階的増額、正規雇用促進などを進めており、社会正義と制度の持続可能性向上を目指している。
