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2025年の米国労働組合組織率が0.1%上昇の10%

2026.03.03掲載

2026年2月28日現在

2月18日のワシントン・ポストやガーディアンなどが「2025年の米国労働組合組織率は、トランプ政権による労働組合への攻撃にも関わらず、16年来の上昇を示した」と報じた。

労働省の発表によると、労働組合の2025年組織率は前年より0.1%上昇の10%を示したが、組合員数は41万人増加の1,470万人とされ、組織化努力の成功と労働市場成長率の鈍化が背景にある。

他方、労働者の中には協約のベネフィットを享受しながらも組合を脱退している者もおり、登録組合員数は協約組合員数より少ない。協約組合員数では2024年の1,600万人が2025年は1,650万の11.2%とされるが、1,470万及び1,650万の数は共に2009年以来の最高値である。

昨年、トランプ政権は労働組合弱体化を目的に、数百万公務員への団体交渉権の剥奪と労働協約の破棄を繰り返し、全国労働関係委員会(NLRB)についても90年の歴史に見られない理由なしの委員解任により、不当労働行為などを審議するNLRBを1年近く委員定数不足の状態に放置した。

にもかかわらず、2025年の公務員の組合員数は増加を続け、民間企業の5倍に当たる32.9%を組織しているが、理由の一部は政権による解雇の危険に曝された数万公務員の組合加入がある。民間においても、医療や小売、教育、建築部門では多くの労組加入が見られるが、ブルーカラーの伝統部門である製造業や鉱山、運輸業界では減少が続いている。人種別には黒人労働者の組織率が11.4%だが白人は9.9%である。

労働組合組織率は労働組合を育成しようとした民主党バイデン大統領の努力にも関わらず、2023年と2024年には過去最低の9.9%を記録した。背景にはパンデミック終結後の急速な景気回復による数百万人の非組合雇用の誕生があったが、2025年の労働市場は2000年以降、最低の成長率を示した。

全米にわたる労組組織率の低下は米国経済のサービス産業への転換や各州における”労働の権利法”導入による組合加入と組合費納入の自由化、経営者による労働組合への敵意などが原因とされるが、ギャロップ調査によると、一般国民による労働組合への支持率は過去10年来上昇を続け、2025年には1960年代以降見られなかった最高の68%を示している。

以上