2012年 ルワンダの労働事情
2012年9月28日 講演録
ルワンダ中央労働組合会議(CESTRAR)
ジョルディ・ミシェル・ムソニ(Mr.Jordi-Michel MUSONI)
ジベルガス労働組合委員長
1. 当該国の労働情勢(全般)
ルワンダは中央アフリカに位置し、面積は2万6338平方キロメートル、人口は約1000万人、男女比率は45:55。労働人口440万人のうち女性が240万人、失業率10%。自給自足型農業従事者が85%、その他のサービス、商業が10%を占めている。首都キガリでは商業は23%、サービス部門は6%で第二の職業である商業は全国平均の7%を上回る。人口のほとんどが都市以外の地方に住んでおり、近年中小企業の強化が促進されて、2009年には中小企業が全体の雇用の19%を占めるまでになった。
2. 労働組合が現在直面している課題
- 限られた能力(人的、財政的、物質的)
- 組合員が非活動的であり、かつ能力が低い
- 組織率が非常に低い
- 労働者の権利が使用者によって侵害されている
- 経済のグローバル化進展に伴い、多くの法律改正が行なわれたが、労働組合はそれに対応できない
- 労働協約の締結が困難
3.その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか
- 利用可能な資源を最大限活用する
- より良い労働のために組織化を促進する
- パートナー、資金提供者を増やす
- 女性や若者の救済のため法的擁護キャンペーンを実施する
- 法令を現実に即した形で改訂する取り組み
4.あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください
- 関係は満足のいくものである。なぜならば、議会は87号(結社の自由及び団結権の保護に関する条約)、98号(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)、135号(企業における労働者代表に与えられる保護及び便宜に関する条約)条約など、多くのILOの基本的な条約を批准しているからである。
- 『ルワンダ労働法』と『ルワンダ憲法』はルワンダにおける労働組合活動に好意的である。
- 国民雇用評議会に労働者代表の議席が5つある。
5.あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください。
- 多国籍企業はルワンダの労働法規を遵守している。
- ルワンダの投資奨励政策は多国籍企業にとって魅力あるものである。例えば、諸条件が緩和されており、投資促進のための特別ユニット、課税減免措置などがある。