5月19~6月1日の日程で、ベトナム・カンボジアチームを招聘した。ベトナム労働総同盟(VGCL)5人、ITUCカンボジア協議会(ITUC-CC)5人の2ヵ国2組織から合計10人のチームであった。
政治体制の異なる隣国である、ベトナムとカンボジア両国の労働組合の招聘となった。しかし、共にASEANを形成し、同じメコン圏内に位置する国として、互いに社会経済の発展をめざしていることや、グローバル化が進展する中で、労働組合に課された役割がますます重要になっていることなど、両国の労働組合に共通する課題は多い。
プログラム前半の講義や訪問先では、労使紛争の解決方法、最低賃金の決定過程など、基本的な日本の労働組合や労使関係に関心が集中した。また、カンボジアの参加者は、自国で抱えているインフォーマル労働問題の解決のヒントを日本の政府および連合の非正規労働問題の対策の中に求めようとする姿勢もうかがえた。
産業別労働組合の講義として、航空連合から組織概要と活動について説明を受けた。企業内の問題解決のため、産別あるいは連合が使用者側と交渉することがあるかといった質問もあった。このような質疑応答を通じて、実際の産別の活動や日本の労働組合の仕組みなどに対して理解を深めることができた。
連合大分プログラムでは、連合大分役員との意見交換で、実際の春闘交渉、組織の拡大方法などについて、具体的かつ幅広い意見交換を行なった。また、ハローワーク大分を訪問し、職業安定行政の現場で研修・視察を行なった。その他、新日鉄住金大分製鉄所を訪問し、日本の主要な基幹産業のひとつである製鉄の現場を視察した。
プログラムの後半では、日本生産性本部、経団連から「生産性向上運動の必要性」「労使での情報共有の重要性」などについて講義を受けた。また、労金協会と全労済から労働者互助の仕組みについて講義を受け、参加者は労働者の出資による協同組織の活動に関して、非常に高い関心を示した。
プログラム最終日には、参加者から「経済指標などのデータに基づく賃上げ交渉を推進していく」「労働者の権利保護のために労働法を改善していく」「生産性向上運動を自国にも普及させていく」「将来的に労働金庫、全労済のような制度を設立する」などのアクションプランが提案された。
■ | 航空連合 | ■ | 連合大分 |
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■ | ハローワーク大分 | ■ | 新日鉄住金㈱大分製鉄所 |
■ | 新日鉄住金大分労働組合 | ||
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