ベトナムVGCL/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

相原理事長開会式挨拶

 2022年3月3日、4日にVGCL(ベトナム労働総同盟)との共催で「労使関係・労働政策(IR)セミナー」をハノイ・バクザン・ダナン・ホーチミン・ビンズオン各市とオンラインで結び、44名の参加を得て開催することができました。

 開会式では、VGCLを代表して国際局副局長から日本国政府とJILAFへの様々な事業協力への謝辞の後、本セミナーで労働組合はCOVID-19の影響を受けた労働者に対する支援活動について日本と情報交換したいとの挨拶がありました。続いてJILAF相原理事長は「労働者が安心して働ける仕組み(社会保障制度)」を本セミナーの焦点にして、建設的労使関係の構築、社会・経済開発に結実することを期待すると挨拶しました。

 次に辻グループリーダーが「日本における社会保障政策について」と題した講義を行い、①日本の社会保障制度の概要、②雇用保険、労災保険、医療保険、年金制度等の説明をしました。
 これに対し参加者から①労災保険の対象②COVID-19に感染した場合の医療費の取り扱い③ハローワークの事業内容④35歳~55歳の女性労働者の就労支援の有無及びその体制、等について質問があり、JILAFから適宜回答しました。
 なお、ハローワークについては、大阪労働局作成の紹介ビデオをベトナム語通訳を介して見せながらその活動内容を紹介しました。(ハローワーク布施「ハローワークの役割」) https://youtu.be/WwtCSz0naqk
 続いてVGCL労働者・労働組合研究所副所長から「ベトナムにおけるコロナがもたらした労働者への影響」について講義があり、①収入・生活上の課題(特に交通・サービス・民間保育園に影響大)②労働者に対する身体・精神的影響③労働組合への影響(組合員人数の減少、活動のオンライン化)について説明しました。
 その後、辻グループリーダーが「日本におけるコロナがもたらした労働者への影響」及び「日本の労働組合によるコロナの影響を受けた労働者への支援活動」について講義を行い、①感染者・失業者・休業者数の推移②雇用安定を保障する政府の政策と法制度③労働組合におけるCOVID-19対応策の事例について説明しました。参加者から、医療従事者の感染は労働災害として扱われるのか等の質問があり、JILAFから適宜回答しました。
 二日目はVGCL労使関係局副局長から「ベトナムの労働組合によるコロナの影響を受けた労働者への支援活動」について講義を行い①現場の実態を把握するための調査②政府と連携した職場の安全衛生の徹底③労働者への食材給付・子供のオンライン授業用備品の整備等全面的な生活サポートの提供④感染者が出た職場における労働力不足や家族が感染した場合に伴う労働者への負担、等の課題について共有しました。
 その後、JILAF相原理事長から労働災害に関する補足説明がありました。
 続いてこれまでの内容を踏まえ、参加者はグループ討議(テーマ:コロナ禍とコロナ後の労働者支援の課題等)と発表を行いました。各グループから①中央政府への社会隔離の申請手続きは複雑であるため、支援が遅れたり、届かなかったりする場合がある②無給休業や解雇された労働者は医療保険の対象外とされ、医療費は大きな負担となる③感染者の家族への支援・感染後の社会復帰への支援体制が不十分④行動制限のため対面での支援が難しい、等の発表がありました。JILAF相原理事長は日本の社会隔離体制を補足説明した上で、ブラック企業・家庭内暴力等日本が抱えている課題を共有し、より脆弱な人たちを守るべきであると述べました。
 最後に、VGCL国際局副局長は、日本の事例を共有でき、とても有益なセミナーであり、VGCLはこれから各地域の労働組合及び政府と連携して労働者の課題へ対応していくと述べました。JILAF相原理事長からは、本セミナーでCOVID-19への対応について深く討論でき大変有意義な機会となったこと、今後もベトナムにおける雇用・社会経済の課題をテーマとしたセミナーを実施していきたいこと伝え、閉会しました。

参加者の様子

ダナン会場の様子

ハノイ会場の様子

ビンズオン会場の様子と相原理事長