労使紛争未然防止チーム

中国側のオンライン講義受講の様子

 JILAFは、当初計画では5月から各国の研修生を順次日本に招へいする研修プログラムを予定していましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による入国制限に伴い、日本への招へい開始日程を8月まで延期した上で、入国制限の解除・緩和を期待していました。
 しかしながら、COVID-19に伴う入国制限等が一向に緩和されない状況が続く中、本事業が厚生労働省から委託され、開発途上国からのニーズが非常に高い事業であること等に鑑み、日本への招へいは断念するものの、研修プログラムを見直した上で各国拠点等とインターネットを介して「オンライン開催」という形で実施することとしました。(→参照記事:9月29日掲載「2020年度招へい計画一覧」)
【プログラム見直し内容】
 地方訪問プログラム等、来日してのプログラムが実施不可であること、2か国語同時に通訳を交えての講義・意見交換が困難であることから、厚生労働省とも協議の上、以下のように見直しました。
・ チームを言語ごとに分け、日程を見直す。
・ 講義内容を見直し、「労働事情を聴く会」は同等の内容を書面で提出する形式に変更し、まとめる。
・ 講義はあらかじめ各言語で収録(音声吹替え)したものをオンデマンドで配信する。
・ 初日と最終日にはリアルタイム・オンライン開催の時間も設け、JILAF役職員と意見交換する。


(労使紛争未然防止チーム)
 このような状況下、労使紛争未然防止チームのプログラムを、8月24日から27日に中国の3名(うち女性1名)、8月31日から9月3日にインドの4名、計7名の参加を得て、計画どおり終了しました。

 このチームは、労使紛争が比較的多く見受けられ、日系企業の進出も多い中国およびインドの労働組合関係者を対象に、日本国における最新の労使関係等を深く学ぶことを通じて、自国の労使関係の強化・発展に結実させることを目的として実施したもので、インドの2名は日系企業の労組役員、中国の1名は労紛防止担当でした。
 リアルタイム・オンラインでの開会式では、 日本の労働運動、労使紛争防止と解決への関心が述べられ、熱心さが見て取れました。

 日本の労働運動の役割と課題に関する講義では、戦後日本の社会・経済の中での労働組合の変遷と現状、団体交渉と労使協議を使い分ける建設的労使関係を通じた労使紛争の未然防止および雇用安定の取り組み、春闘や政労使の協議などについて学び、本プログラムで学ぶべき全体像を把握しました。
 労働運動を支える労働法制・社会保障制度の講義では、労働基準法、労働組合法等の労働関係法規や労使紛争解決の手段及び社会保障制度に関する講義により、これらに対する理解を深めました。
連合講義では、国際政策局による連合本部の概要・重点活動、連合の平和活動などの説明に続いて、労働条件局から春闘の仕組み・その取り組みについての説明を受け、理解を深めました。
 中央労働委員会講義では、労働委員会の概要や機能の説明に続き、不当労働行為救済制度や審査手続きの流れについて具体的な説明があり、参加者は労働委員会の果たす役割について理解を深めました。
 役員との意見交換では、参加者から質問を受け、また以下の様なアクションプランの提案も受けました。
・ 引き続き、中国と日本の社会保障体系を比較考量する。年内に労働協約を見直し・労働体系を見直す(中国ACFTU)
・ 日本の三者協議について理解を深め、自組織に導入する(同)
・ 労使紛争防止に向けて、諸制度を充実させていく(両国共通)
・ 生産性向上、コスト低減、職場の環境改善を図る(インドINTUC)
 インド(INTUC)については、工場ということもあり、やや生産現場実務に関連する目標でしたが、それぞれに経験を積んで来た層であり、ここで得た知識をさらに活かしていきたいとの決意が感じられました。

 なお、JILAF設立以来、初のオンライン開催にもかかわらず、相手国側も事前準備・試験段階から非常に協力的で、本プログラムへの期待が感じられました。開始後には通信条件による不具合等もあったものの、総じて友好的な雰囲気の中で進行し、積極的な参加が得られました。
その一方で、日本の労働組合・関連組織の活動の場・状況を直接看取し、それに関わる人たちと実際に会って意見を交わしたいとの意見は非常に強く、来日して学びたいとの声が強く出されました。

今回ご協力いただいた関連機関一覧

日本労働組合総連合会(連合)中央労働委員会

皆さまどうもありがとうございました。

労使紛争未然防止チーム参加者

中華全国総工会(ACFTU)

1.氏 名Mr. Dongjun Xing
邢东军
 所 属北京ベンツ労働組合
 役 職主席
 組合歴12年

中華全国総工会(ACFTU)

2.氏 名Mr. Yingnan Shao
邵英男
 所 属北京市総工会
 役 職権益工作部
 組合歴10年

中華全国総工会(ACFTU)

3.氏 名Mr. Yi Zhang
張毅
 所 属中華全国総工会
 役 職法律工作部(労使紛争防止担当)
 組合歴3年

インド労働組合(BMS)

4.氏 名Mr. Hiranmay Jaydevprasad Pandya
 所 属インド労働組合(BMS)
 役 職副会長
 組合歴30年

インド労働組合(BMS)

5.氏 名Binoy Kumar Sinha
 所 属インド労働組合(BMS)
 役 職本部職員
 組合歴26年

インド全国労働組合会議(INTUC)

6.氏 名Mr. Dinesh Ravichandran
 所 属コウセイ・ミンダアルミニウム労働組合
 役 職同労働組合役員
 組合歴4年

インド全国労働組合会議(INTUC)

7.氏 名Mr. Manikandan Mani Mani
 所 属コウセイ・ミンダアルミニウム労働組合
 役 職同労働組合副会長
 組合歴4年

参加者の様子

中国参加者との意見交換

インド参加者との意見交換

インド参加者との閉会式