インドネシアCITU/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

セミナー集合写真

国際労働財団(JILAF)は、10月21日~22日にボゴール市プンチャックにおいて、10月24日~25日にスラバヤ市において、CITUとの共催による「労使関係・労働政策(IR)セミナー」を開催しました。本セミナーには、合計80名が参加しました。

10月21日~22日(ボゴール市プンチャック)
冒頭、JILAF鈴木副事務長、CITUラミディ事務局長が挨拶を行い、本セミナーの主旨・
目的等を参加者全員で共有しました。

鈴木副事務長から、日本の労働運動の歴史と経済の推移、雇用状況、日本の労働組合の組
織構成の特徴、建設的労使関係(団体交渉と労使協議の仕組み等)を通じた無用な労使紛争の未然防止、春季生活闘争の流れ、生産性三原則等について説明がありました。

続いて、①インターンシップ制度の改正、②適正な最低賃金水準についてパネルディス
カッションが行われました。①については、労働組合側より、企業にとって安価な労働力確保のための制度ではなく、若年層の失業対策・雇用促進という本来の主旨に沿った制度となるよう改正されるべきである、との強い意見が出されました。②については、「国際競争力の観点からすれば、現在の最低賃金は高すぎる。」とする使用者側に対し、労働組合側は「最低賃金水準を上げなければ、国民の購買力は低下し、経済も低迷し、企業業績も悪化する。」とし、相反する見解が示されました。ただし、数年前から始まった経済指標に連動して最低賃金が決定する仕組みについては労使双方とも見直しを求める声が大きく、従前のように労使が交渉の場で決定すべきである、との主張は共通していました。

CITUブタルブタル副会長から、労働法改正の動向について説明があり、CITUとしては改正ではなく、雇用と収入の安定確保や社会保障制度の拡充を伴った新法の制定を求めていくとの考えが示されました。参加者からは、現行の労働法においても労働者保護の観点からいえば良い点もあるので、CITUとしての具体的な新労働法のドラフトを示したうえで組織内での論議を進めていくべきである、等の意見が出されました。その後、職場におけるジェンダーの課題やグローバリゼーションがインドネシア経済に与える影響についての講話がありました。

最後に、セミナーで取り上げた議題についてグループ討議を行い、各グループから、「最低賃金の交渉の場には労働組合も参画させるべきである」「州別ではなく全国統一の最低賃金とすべきである」「CITU内に新労働法プロジェクトチームを設置し、新法のドラフトを作成すべきである」等の発表がありました。各グループからの発表に対し、JILAF鈴木副事務長から、労働法の改正に際しては、労働組合としても非常に重い対応が求められるが、将来的にインドネシアの一層の発展につながる議論を期待している、とのコメントがあり、プンチャックでのセミナーは閉会しました。

10月24日~25日 (スラバヤ市)
冒頭、鈴木副事務長がJILAF事業を紹介した後、CITUラミディ事務局長から、JILAFおよび日本国政府への謝辞とともに、労働法改正など様々な課題に直面している中、セミナー参加者の皆さんの地元である東ジャワ州出身の女性が労働大臣に就任することが決定したので今後に期待したい、との挨拶がありました。

セミナーの内容はプンチャックと同様でしたが、適正な最低賃金水準についてのパネルディスカッションの中で、東ジャワ州における特徴的な点として、使用者側からは、州内には最低賃金水準の支払能力を有しない企業も相当数存在すること、また、労働者側からは、この10年間、州都であるスラバヤと東ジャワ州内の最も低い地域との間で、最低賃金の格差が50%から120%に拡大している、との実態報告もありました。この報告を受け、グループ討議の中で、適正な最低賃金水準について、「東ジャワ州での格差を縮小すべきであり、また、どの企業にも最低賃金以上を支払わせるべきである」等の意見発表がありました。

鈴木副事務長から、女性の積極的な参加に感謝したい、女性の発言力強化は労働組合の発展にとっても非常に大切である。労働法は労働者の最低限の権利を守るものでなければならないが、改正に反対を唱えるだけではなく対案を示しながら政労使で十分に論議を尽くしてほしい、との挨拶があり、スラバヤでのセミナーは閉会しました。

日程

月日内容
10月21日10/21ボゴール市プンチャックセミナー第1日目
10月22日10/22ボゴール市プンチャックセミナー第2日目
10月23日10/23(移動)
10月24日10/24スラバヤ市セミナー第1日目
10月25日10/25スラバヤ市セミナー第2日目
10月26日10/26

参加者の様子

セミナー風景

パネルディスカッション

グループ討議中(プンチャック)

グループ討議中(スラバヤ)

参加者からの発表

講義の合間のアイスブレーク