ネパール労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催

開会式での理事長挨拶

2月6日~7日、国際労働財団(JILAF)は、国際労働組合総連合ネパール加盟組織協議会(ITUC-NAC:ネパール労働組合会議(NTUC)・ネパール労働組合総連盟(GEFONT)・ネパール労働組合連盟(ANTUF))との共催で、労使関係・労働政策セミナーをカトマンズ市で開催しました。

セミナーにはITUC-NAC傘下組合役員・リーダー61人が参加しました。開会式ではダカール使用者連盟(FNCCI)副会頭、プラサッド労働雇用省事務次官、各ナショナルセンター代表がそれぞれ挨拶し、日本政府及びJILAFの継続的支援・協力に感謝の意を表しました。
次に、吉岡在ネパール日本国大使館参事官がJILAFの四半世紀にわたるネパールでの各種事業の展開に敬意を表した上で、IRセミナーの有用性について言及しました。

その後、JILAF南雲理事長が主催者を代表して挨拶し、ネパールのITUC加盟3組織が一同に介する形で開催される本セミナーの意義等に触れ、国連SDGsゴール8にも貢献する建設的労使関係の構築を通じた雇用安定の取組みに向け参加者を後押ししました。

続いてJILAF齋藤事務長が、1月の河野外務大臣のネパール来訪により二国間関係強化の機運がさらに増す中で「南アジア諸国と中国の間に位置するネパールの持続的経済発展が、地域全体の平和と安定のみならず日本国にとっても重要」とした上で、日本の労使が長年かけて培ってきた、労使が緊張感を持って話し合い、職場の課題等を対等かつ自治的に解決する「建設的労使関係を通じた雇用安定」について講義しました。この講義の中で、①日本の労使関係の変遷、②日本の労働組合の現状、③労働組合の機能(経済/福祉/政治的機能)と役割、④国民・労働者の暮らしの底上げに向けた労働運動の結集、⑤職場組合員との信頼強化と労使の当事者意識を持った労働環境改善や雇用安定の取組み、⑥労働者の生産性向上への貢献を通じた公正な配分、⑦社会対話の重要性などを共有できました。
また、アディカリ社会保障基金専務理事から「ネパールでの社会保障の課題」、ヨゲンドラNTUC事務局長から「労働法改正に伴う団体交渉プロセス」の講義がありました。ヨゲンドラ事務局長は欧米型労使関係と異なる日本的労使関係・労使慣行へ賛意を表するとともに、生産性向上への貢献を通じた労使信頼関係の構築と、それを基底とした建設的労使関係構築の必要性を改めて強調しました。これを受けて、会場からは、ネパールの現状に関する意見(結社の自由妨害、争議権制限、不当労働行為多発)や質問(労使紛争解決メカニズム、生産性向上と建設的労使関係に基づく労使紛争未然防止、健全な労使関係の重要性)が出され、ヨゲンドラ事務局長が見解を答弁しました。

2日目は、3組織代表による初日の振り返りの後、「ネパールにおける労使関係の改善」をテーマに、政労使代表者によるパネル討議(テーマは「社会対話」)を行いました。その中で「お互いを尊重する姿勢から生まれる労使信頼関係の構築と重畳的連携が不可欠」との共通認識に加え、①社会対話を通じた各種課題の改善、②改正労働法の実効ある取り組み、③労働者の生活改善に向けた複数ナショナルセンターの協働、④女性へのハラスメントや強制労働の禁止、⑤インフォーマルセクターおよびアウトソーシング労働者保護、⑥最低賃金(13,450ルピー/月)遵守と個別労使による賞与/ベースアップの取り組み、⑦政治と労働運動の距離感の必要性などが提起され、会場全体で論議しました。
閉会式では、南雲理事長が参加者の熱意を持った参画に感謝した上で、「ネパールが様々な課題や困難を乗り越え、労働者・国民にとって更に良い国となるようJILAFも協調して取り組んでいく」と述べて2日間のセミナーを終了しました。

日程

月日内容
02月06日セミナー1日目(会場:カトマンズ)
02月07日セミナー2日目(会場:カトマンズ)

参加者の様子

吉岡参事官挨拶

参加者集合写真

JILAF講義「日本の労働組合の課題と役割」

質疑応答の様子

質疑応答の様子

政労使代表パネルディスカッション