ベトナムVGCL/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーの開催

セミナー集合写真

国際労働財団(JILAF)は、1月11日にハノイ市で、同月14日にフエ市で、ベトナムVGCL/JILAF労使関係・労働政策(IR)セミナーを開催しました。

本セミナーには、ベトナムの使用者側関係者及び、労働者側関係者の合計79名が参加しました。

 ハノイのセミナーでは、冒頭VGCLヒュー副会長の開会の辞に続き、JILAF小山参与より本セミナーの主旨説明を含めたあいさつがありました。
 セミナーの前半では、JILAF鈴木副事務長より、日本における経済成長、産業構造の変化や労働組合の組織率の推移を概観した後に、日本の労働組合の役割、建設的な労使関係の構築について説明がありました。これに対し、低組織率の中での団体交渉のあり方、生産性向上による雇用維持への影響等について質問がありました。続いてJILAF小山参与が労働組合法、労働時間法制、高年齢者の雇用と定年延長等、日本の労働法制について概説しました。これに対し、個別労働契約と労働協約の関係、労使紛争解決システムなどについて、質問がありました。
後半では、VGCLクアン労使関係局副局長より、ベトナムにおいて労働法の改正が迫っている中、改正案における重点項目である①「労働者」の範囲の拡大、②時間外労働の上限枠、③最低賃金、④労使対話、⑤団体交渉、⑥企業内の労働者組織の設立、⑦定年年齢の延長、⑧労使紛争解決の仕組み、⑨ジェンダー、についてVGCLとしての基本的な考えが示されました。
その後、「時間外労働の上限枠の引き上げ」と「定年年齢の延長」をテーマにグループ討議が行われました。各グループより、時間外労働については、①時間外割増率を累進的にする。②月間の上限枠(現行30時間)はそのままにすべきである。③業種による上限枠を設定できることにする。④シフト勤務制を適切に導入・運用する。定年延長については、①基本的には賛成であり、労使協調して進めるべきである。②ただし、炭鉱、鉱山労働等特定の業種については健康上の配慮から引き上げを留保すべきである、などの意見発表がありました。

フエのセミナーでは、冒頭VGCLクアン労使関係局副局長、JILAF小山参与より開会あいさつがありました。
セミナーの前半では、JILAF鈴木副事務長より日本の労働組合の役割と建設的労使関係について、JILAF小山参与より日本の労働法制について説明があり、それに対し、①名目経済成長率と実質経済成長率の違い、②三者構成のメンバー、③企業の経営数値の情報開示、④日本の組織率低下の影響、⑤ストライキなどの団体行動の正当性の判断、⑥ストライキの通告をしてから実施までの期間、⑦不当労働行為の審査に要する期間、⑧企業内における紛争解決の手段、などに関する積極的な質問がありました。
後半では、VGCLクアン労使関係局副局長、トゥアティエン=フエ省労働局ダン副局長、トゥアティエン=フエ省ビジネス協会ドゥオック副会長より、主に労働法改正案の内容について、それぞれの立場における見解が示されました。
その後、フエにおいてもハノイと同様、「時間外労働の上限枠の引き上げ」と「定年年齢の延長」を
テーマにグループ討議が行われました。時間外労働については、①現行の上限である年間200時間を基本とし、特定業種については400時間まで認める。②月間の上限は40時間とする。③時間外労働は連続2ヵ月まで認める。④1日の限度は4時間であるが一週間以上続けてはならないとする。定年延長については、①毎年6ヵ月ずつ段階的に延長する。②特定の業種については早期定年を認める。③逆にスキルの高い労働者についてはプラス5年とする、などの意見発表がありました。
 各グループの発表に対し、JILAF小山参与より、時間外労働については企業によるヘルスチェック機能の強化やワークライフバランスの観点にも留意すべきとのコメントがあり、最後にVGCLクアン労使関係副局長より、JILAFに対する協力と遠方からのセミナー参加者(トゥアティエン=フエ省周辺の9省から出席)に対する感謝の意が述べられ、セミナーは閉会しました。

日程

月日内容
01月11日01/11労使関係・労働政策セミナー ハノイ市
01月12日01/12
01月13日01/13
01月14日01/14労使関係・労働政策セミナー フエ市

参加者の様子

セミナー講義

グループ討議風景(ハノイ)

グループ討議風景(フエ)