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No.485(2017/12/15)
2017年11月30日現在
大谷選手などの移籍規約、メジャーリーグ選手会労働組合も変更に合意

 日本ハム・ファイターズの大谷選手などのメジャーリーグ移籍問題を巡り、メジャーリーグ野球機構(MLB)、メジャーリーグ選手会労働組合(MLBPA)、及び日本野球機構(NPB)との間に行われていた交渉で合意が成立したが、その実施は来オフシーズン以降となった。

 但し、ポスティング制度の交渉期限については、今オフシーズンについて従来の30日を21日に短縮することが合意されたと言われる。メジャーリーグ選手会労働組合が大谷選手との契約交渉の遅れが他の選手に影響すると懸念したため、とされる。その他、譲渡金の金額が改定されるが実施は来シーズンとなる。
 正式批准は12月1日と言われ、大谷選手(23歳)のポスティング交渉はそれ以降となるが、12月22日には移籍交渉先が決まる可能性がある。今オフシーズンのポスティング金額の上限は従来通りの$2,000万だが、日本ハムは可能な限りの最高レベルの譲渡金を目指している。因みに2014年の田中将太選手のNYヤンキース移籍は$1億5,500万であった。

 ポスティングとはフリー・エージェント(FA)権を持たない日本のプロ野球選手がメジャーリーグへの移籍を希望して所属球団がそれを認めた場合、メジャーリーグ球団が移籍の交渉権を日本の所属球団から入札で獲得する制度である。
 獲得を希望するメジャーリーグ球団は交渉権を得るための入札金額をMLBに通知し、日本の所属球団がその最高入札額を承諾した場合、入札球団に選手との30日間の独占交渉権が与えられ、契約交渉が始まる。交渉が成立すれば入札金額が所属球団に支払われるが、選手は移籍チームを選ぶことは出来ない。日本の球団が見返りなしに選手を失うことを防ぐために1998年に導入された。
また、現行のメジャーリーグ労働協約では、FA資格を持たない25歳以下の海外選手はマイナーリーグの契約しか出来ず、その場合の現在の契約金の最高は$353万ともいわれる。

カリフォルニア最高裁が農園労働者への強制裁定を合法と判決

 全米農業労組(UFW)はカリフォルニア州最大のギャラワン農園(ネクタリン、桃、梅の栽培で数千人を雇用)で1990年に労働組合結成に成功し、賃金・労働条件についての協約交渉を続けたが、未だに合意が出来ていない。こうした事例はカリフォルニア州だけで50件から100件を数えるとされる。

 その間、2003年にカリフォルニア州で農業労働関係法が成立して、農業労働関係委員会(ALRB)が仲裁裁定できることになり、2013年にALRB の強制裁定が提示された。しかし農園側は「協約の強制は憲法に言う自由な選択に違反する」として労働関係法の州憲法違反を控訴した。控訴裁判所は2年前に強制裁定に一定の判断基準が無いとして控訴を肯定、それを州最高裁が昨11月26日に否定して強制裁定を合法とした。農園側は連邦最高裁に上訴する。

 問題を複雑にしているのは2013年に行われた労働組合承認投票で、「承認投票に不正があった」との申し立てを受けて、全国労働関係員会は投票の無効を判定し、その後のカウントも行われていない。また承認投票に関する別件の審査請求もペンディングのままにある。

発行:公益財団法人 国際労働財団  https://www.jilaf.or.jp/
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