インドの基本情報

面積 328.73万㎢(日本の8.7倍)(2017年、World Fact Book(WFB))
人口 13億3918万人(2017年、国連推計)
首都 ニューデリー(2570万3000人、2015年推計、世界年鑑)
主要都市 ムンバイ2,104万人、コルカタ1177万人、バンガロール1009万人、チェンナイ962万人、ハイデラバード894万人(2015年推計・共同世界年鑑)
主要言語 ヒンディー語41%、ベンガル語8.1%、テルグ語7.2%、マラティ語7%、ウルドー語5%、など。連邦公用語はヒンディー語、補助公用語は英語、連邦公認の地方公用語は21。
民族 インド・アーリヤ族72%、ドラビダ族25%、ほか(2000年、WFB)
宗教 ヒンドゥー79.85%、イスラム14.2%、キリスト教2.3%他(2011年、WFB)
GDP 2兆2288億米ドル(2017年、ジェトロ)※分野別比率は本文第5項参照
一人当りGDP 1,940米ドル(2017 年、JETRO)
労働力人口 5億161万人(2015年、ILO)※分野別比率は本文第5項参照
産業別分布(%) サービス業53%、鉱工業31%(うち製造業18%)、農林水産業15%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准総数47、中核8条約:批准6、未批准2(87、98)(2018年6月・ILO)
通貨 1インド・ルピー(INR)=1.65円 1米ドル=65.67INR(2018年前半平均、IMF)
政治体制 共和制
国家元首 ラーム・ナート・コヴィンド大統領(2017年7月就任)
議会 二院制(上院250議席、下院545席)
行政府 首相、内閣のもと40省  ナレンドラ・モディ首相(2014年5月就任)
主な産業 農業、工業、鉱業、IT産業
対日貿易 輸出5,993億円 輸入9,932億円(2017年日本財務省統計)
日本の投資 4654億円(2016年・日本財務省統計)
日系企業数 1,369社(4,838拠点)(2017年・在印日本大使館・JETROによる)
在留邦人数 9,197人(2017年)
気候 6~9月雨季、10~2月乾季(デリー)
日本との時差 -3時間30分
社会労働情勢概要 ・経済は2016年の高額紙幣の流通停止や2017年の「物品・サービス税」の導入などによる落ち込みを脱して、サービス業などを軸に堅調な成長に移りつつある。
・モディ首相は、製造業振興により雇用創出と輸出競争力強化をはかりつつ、行政サービスの改善、労働者の技能向上を目指すプログラム等を実施している。
・2016 年の日本からの対印直接投資額は、前年比32.2%増の4,654億円となった。2017年の日系企業数は1,369社で拠点数では4,838に達している。
・2.5億人といわれる中間層の消費拡大が進む一方、1日1ドル未満で暮らす貧困ライン人口は4億人弱にのぼり、地域間格差も大きく極度の貧困が問題となっている。
・労働組合の主要ナショナルセンターは13組織で、ITUC(国際労働組合総連合)に3組織が加盟。労組の多くは政党とのつながりが強い。組織率は2~3%といわれる。
主な中央労働団体 インド全国労働組合会議(INTUC:Indian National Trade Union Congress)
インド労働者連盟(HMS:Hind Mazdoor Sabha(Indian Labour Association)
女性自営労働者連合(SEWA:Self Employed Women's Association)
インド労働組合(BMS:Bharateeya Mazdoor Sangh)
労働行政 労働・雇用省(Ministry of Labour & Employment)
中央使用者団体 インド使用者連盟(Employers Federation of India:元来はインドの外資系企業を代表)

全インド使用者組織(All India Organisation of Employers:元来はインド企業を代表)

公営企業常置会議(Standing Conference on Public Enterprises:国営企業を代表)

上記の3組織が、インド使用者協議会(the Council of Indian Employers)を結成。
最終更新日 2018年 9月 30日
主要統計
(GDP)
201220132014201520162017
GDP成長率 4.56.67.27.67.16.5
一人当りGDP(ドル) 1,4421,4901,6121,6161,7331,940
物価上昇率 (%) 10.29.56.04.55.03.7
失業率 (%)

1.政治と社会の動向(1945年以降)

事項
1947年 英国から独立。ネルー首相(国民会議派)。第一次印パ戦争・パキスタンが分離独立。
1950年 インド憲法制定、共和国成立。
1952年 第1回総選挙、国民会議派勝利、長期間政権へ。日印国交樹立
1960年代 社会主義的経済政策の不調。第三次五か年計画(1961~66年)
1966年 インディラ・ガンジー首相(国民会議派:ネルー首相の息女)
1971年 第三次印パ戦争、バングラデシュ独立
1977年 総選挙で国民会議派敗北。ジャナタ党など4党連立政権、デーサーイー首相
1980年 インド人民党(BJP)結成。国民会議派政権復帰、インディラ・ガンジー首相。
1984年 インディラ・ガンジー首相暗殺。長男ラジーブ・ガンジーが首相就任
1990年代 経済自由化政策の推進
1996年 総選挙で国民会議派が歴史的大敗。インド人民党(BJP)バジバイ首相。
1998年 バジバイ政権、核実験の実施(2回)。世界から非難。
2004年 総選挙で国民会議派を第一党とする連立政権。マンモハン・シン首相。
2014年 総選挙で、インド人民党(BJP)が単独過半数、ナレンドラ・モディ首相。
2015年 デリー首都圏議会選で庶民党が大勝、BJPは惨敗。
2017年 大統領選挙でBJPの推すゴヴィンド当選。「5か年計画」終了、新経済計画。

2.国家統治機構

元首

  • 大統領:ラム・ナート・ゴヴィンド(2017年選出)、政治的実権は首相
  • 国会議員・州議会議員により選出。

議会

  • 二院制(上院250議席・任期6年で3年毎半数改選、下院545議席・任期5年)
    上院は各州議会議員による間接選挙で選出、ただし12名は大統領が学識経験者を指名。下院は小選挙区による直接選挙だが、2名は大統領が指名。
  • 議席
    上院:インド国民会議派(INC)57、インド人民党(BJP)57、大衆社会党(BSP)14、全インド草の根会議派(AITC)12など(2017年11月)。
    下院:インド人民党(BJP)277、インド国民会議派(INC)46、全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党(AIADMK)37、全インド草の根会議派(AITC)33、ビジュ・ジャナタ・ダル(BJD)20、シブ・セナ18、テルグ・デサム16、テランガム民族会議11、左派共産党9など。(2017年10月)

行政

  • 首相:ナレンドラ・モディ(2014年~)
  • 行政権は、首相を長とする閣僚会議に属する。首相は大統領によって任命され、他の大臣は首相の助言にもとづいて、大統領が任命する。
  • 閣僚会議は、大統領、副大統領とともに行政府を構成している。行政府には40の省がある。労働行政は「労働・雇用省」が担当。

司法

  • 最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所の三審制。

地方行政

  • 29の州、デリー首都圏と6連邦政府直轄地。各州には大統領が知事を任命するが、行政は州首相が担当し、それぞれ州議会がある。インド最大の人口(2.0億人)を持つ北部のウッタル・プラデシュ州の議会は定数403。州議会選は世界最大の地方選挙といわれ、2017年にはBJPが大勝。

3.政治体制

政体

  • 共和制
  • 大統領制だが政治的実権は首相。

主な政党

インド人民党
(BJP)
1980年、ヒンズー教至上主義の旧大衆連盟(ジャン・サン党)系の指導者により結成。1998年から2004年までバジパイが連立政権の首相。民族主義的な傾向があり、1998年には核実験を実施。その後国民会議派政権の経済政策への不満を受け、2014年の総選挙で勝利し政権担当。成長政策を軸とする運営をすすめている。
国民会議派
(会議派)
1885年結成、マハトマ・ガンジーら独立運動を担った有力者が指導。1969年に左右に分裂したが、その後、インディラ・ガンジー派が大半を吸収。国民の広い支持を集め長年にわたり政権を運営。中道左派的であるが、保守系の政治家を含み、財界・財閥との関係も強い。経済政策の失敗により2014年の総選挙で下野。

4.人口動態

  • 総人口:13億3918万人(2017年推計)
    2025年頃には中国の人口を超えて14億人台半ばとなり、世界最大になると見られている。その時点では世界人口に占める構成比は18%台となる見込み。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 主要産業:農業、鉱業、IT産業 GDPの産業分野別比率:サービス業等62%、製造業等23%、農業等15%(2016年、WFB)
  • 主要輸出品目:石油製品、宝石類、機械機器、化学関連製品、繊維。
  • 主要輸入品目:原油・石油製品、金、機械製品。
    労働力人口
  • 労働力人口:4億8,190万人。産業別の比率は 農業等47%、サービス業等31%、製造業等22%(2014年、WFB)。

6.経済状況

経済情勢

  • 農林水産業に従事する就業者が全体の半分以上。
  • モディ首相は、製造業を振興する「メイク・イン・インディア」をスローガンに掲げ、2022 年までにGDP に占める製造業の割合を16%から25%にまで増やす計画。インド国内のモノ作りを強化することで、雇用の創出、労働者の技能向上、研究開発の強化による技術革新をはかる。さらに輸出競争力の強化を通じた貿易赤字の解消を目指す。

所得の動向等

  • 一人当りのGDPは、1,706米ドル(2017年)
  • ニューデリー、ムンバイ、バンガロールなどの大都市圏には中高所得世帯が急増。

7.労働組合の組織

ナショナルセンター

  • 2017年現在、13のナショナルセンターがあり、INTUC、HMS、SEWAの三組織がITUCに加盟している。
    (※)詳細は国際労働財団HPの「ナショナルセンター情報」参照。
  • それ以外の組織は、BMS、AITUC(共産系、WFTU加盟)、CITU(共産系)、UTUC、AIUTUC、AICCTU、TUCC、LPF、LFITU-DHN、NFITU-Kol。これらのうち、BMSはインド人民党に近く、AITUCとCITUはインド共産党に近い。AITUCはWFTU(旧ソ連系労組の世界組織)の主要組織のである
  • 2009年、上記のうちLPFとNFITU-Kolを除く11組織が、政策課題などに関する緩やかな組織として労組中央協議会CTUCC(Central Trade Union Coordination Committee)を結成した。インフレ対策、雇用の拡大、労働法制などの課題で政府への働きかけを行っている。代表はINTUCのサンジーヴァ・レディ会長。

8.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 支援組織:JILAF(日本)、FES(ドイツ)、ACILS(アメリカ)、SASK(フィンランド)、LO-TCO(スウェーデン)、LO(デンマーク)、ACV(ベルギー)、WSM(ベルギー)、FNV(オランダ)、CLC(カナダ)
  • 国際産別組織(GUFs):BWI, EI, IAEA, IFJ, Industriall, ITF, IUF, PSI, UNI

現地事務所設置

  • FES(ドイツ)

9.労使紛争の状況

  • 労働争議の参加人員、労働損失人数についても近年減少してきているものの、インドに進出している日系企業など外資系企業でのストライキ、ロックアウトなどが目立っている。原因は、採用・雇用方針、労働組合の非承認、雇用保障および社会保障の欠如、低賃金などが挙げられる。

労働争議件数等の推移

2010 2011 2012 2013 2014 2015
争議件数 371 370 318 258 317 184
参加人員 1,074,473 734,763 1,307,454 1,838,160 1,155,599 627,132
労働損失日数 23,130,527 14,458,038 12,936,795 12,645,371 11,087,715 2,920,536

資料:インド統計・計画実施省

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 1948年の最低賃金法に基づき中央、各州・直轄地がそれぞれの権限内で定める。中央政府は45種類、地方政府はのべ1800種類以上の最低賃金を定め、随時改定を行う。最低賃金額には職種と地域による大きな格差があり、同一職種でも地域により40%程度の違いがみられる。
  • 全国一律の最低賃金はないが、中央政府の指針として「全国最低賃金水準」が定められている。2017年6月以降の全国最低賃金水準は日額176インド・ルピーである。

労働・社会保障法制

  • インドでは、中央政府および州政府が労働関係法令を制定することができる。主な法令は以下の通り。
    「労働組合法」(1926年)(※)、「労働争議法」(1947年)(※)、「産業雇用(就業規則)法」(1946年)、「工場法」(1948年)(※)、「最低賃金法」(1948年)、「ボーナス支払法」(1965年)、「請負労働法」(1970年)、「退職金支払い法」(1972年)、「児童労働法」(1986年)、「障がい者法」(1995年)、「セクハラ防止法」(2013年)、「職業安定法」(1959年)、など。
    (※)は国際労働財団HPの「アジア労働法データベース」に日本語訳がある。
  • 主な社会保障法はつぎの通りである。
    「従業員国家保険法」(1948年)、「従業員退職準備基金および関連法」(1952年)、「全国農村社会保障法」(2005年)、「非組織労働者社会保障法」(2008年)、など。

11.日本のODA方針(外務省「国別援助方針」(2016年3月)より)

  • 基本方針:民主主義や人権、市場経済など日印間の共通の価値観を基礎とした開発協力を推進する。インドの第12次5か年計画(2012~2017年)の目標である「より早く、より安定的で、より包括的な成長」の実現を支える。
  • 重点分野:①インド国内の産業都市・経済圏・地域間の連結性の強化、②インドの経済成長を安定化する製造業部門を中心とした産業競争力の強化、③社会インフラの整備や貧困対策など持続的で包摂的な成長の支援とする。

12.JILAFの事業

  • 招へい事業:1989年より今日までに141人(男性105人、女性36人)の若手労組指導者を招へい(2017年度末現在)。
  • 現地支援事業:インフォーマルセクター組織化地域ワークショップを開催(2007~2009年)。職場環境改善セミナー(2011~2013年)、「労使関係・労働政策セミナー」(2014~2017年)。
  • 非正規学校:1998年より、児童労働撲滅を目的とした非正規学校を運営している。
    1998年~2003年 コビルパティ校(アンドラプラデシュ州)、2004年~2009年 マーカプール校(タミルナドゥ州) 、2009年~2013年 新マーカプール校(同州)、2015年~ グントウール校(アンドラプラデシュ州)