JILAFタイ事務所だより(9月)

I.タイ情勢

1.タイ首相、急激な最低賃金上昇は困難とコメント

  1. タイの労働者連帯委員会は、9月8日、現在の物価等では現行の1日当たり最低賃金約300バーツでは生活できないとし、最低賃金をほぼ倍の600バーツ~700バーツに引き上げることを求めた。
  2. タイ工業連盟(FTI)のチェン会長は、9月10日、前(1)の要求に対し、「非現実的」との見解を示した。最低賃金を1日700バーツとした場合、月例賃金は約2万バーツを超え、現行の大卒者の平均初任給1万5000バーツを上回ることとなる。仮に、700バーツに引き上げられた場合、人員削減が困難なホテルやレストラン業界への打撃は必至で、大企業は機械化をさらに進め、労働者にとって状況が不利になる可能性あることについても示唆した。
  3. さらに、プラユット首相は、9月12日、急激な賃金上昇は投資家を遠ざけるとし、現状では困難という見方を示した。また、経済の発展に伴って賃金は上昇すると主張。労働者側のスキルアップも合わせて必要であることを指摘した。

(バンコク週報9月11日より抜粋他)

1.タイの漁業における強制労働と人身売買 蔓延

  1. 国際司法使節団(International Justice Mission)が260名のカンボジア人およびミャンマー人への聞き取り調査で得た情報によると、タイの漁船員の中で、カンボジア人・ミャンマー人船員の38%が「明らかに」、49%が「恐らく」人身売買の被害者であり、公正な就労環境で働けているのはわずか13%であり、また75%が借金漬けにされていると発表。
  2. 労働省労働保護福祉局スメート局長は、漁船の強制労働と人身売買に対する取り締まりを強化するとともに、人身売買や労働保護法違反の疑いがある業者については、迅速に法的措置が取られているとコメントした。また今後、労働保護法を改正し、未成年就労者を雇用している業者への罰則を強化する方針があることも付言した。

(バンコクポスト 9月25日より抜粋他)

Ⅱ.東南アジア、南アジア情勢

1.首都圏の最低賃金引き上げへ(フィリピン 9月14日)

  1. マニラ首都圏の地域賃金生産性委員会(RTWPB)は、首都圏の最低賃金を2017年10月より日額21ペソ(約45.3円)引き上げることを決定した。これに伴い、マニラ首都圏の最低賃金(日額)は現行の491ペソ(約1060円)から512ペソ(約1104円)に増額となった(賃上げ幅は昨年の10ペソを大きく上回る)。
  2. これに対し、フィリピン労働組合会議(TUCP)は、国内総生産(GDP)伸び率の6.9%を大きく下回っており、労働者は物価上昇に対応できないとの不満を表明(TUCPは、日額184ペソの賃金上昇を要求していた)。

(The Manila Time 9月15日から抜粋他)