JILAFタイ事務所だより(5月)

I.タイ情勢

1.各地でメーデー開催

  1. 5月1日、タイ各所でメーデー開催。15ナショナルセンター(NC)の代表およびインフォーマルセクター労働者グループの代表を中心にバンコクで行われた中央メーデーにはプラユット首相・シリチャイ労働大臣が臨席した。各NCの代表とインフォーマルセクター労働者グループの代表が、①ILO条約第87号・98号(結社の自由・団体交渉権の承認)の批准、②社会保険制度の改善、③インフォーマルセクター労働者の生活と福祉に関する法律の改善、担当部局の拡充、④国営企業の構造改革推進と民営化の中止、⑤退職積立金法の改善の5項目を明記した請願書を政府に提出した。
  2. プラユット首相は、「国にとって大事な存在である労働者には、深く感謝している。フォーマルセクター労働者、インフォーマルセクター労働者共に国の発展の礎を担うのは働く人々であり、政府としても、全国民の生活水準向上のために尽力したい」と挨拶。この他、タイランド4.0を実現するにあたり、「労働者の能力向上が不可欠であり、政府は職能開発訓練等を通じ、失業率ゼロをめざす」との決意表明があった。

(JILAFタイ事務所による情報収集5月1日、WISE 5月8日より抜粋他)

2.労働者の97%が債務者

  1. タイの家計債務は過去10年以上膨らみ続け、2015年の家計債務総額は国内総生産(GDP)比で81%。タイ商工会議所大学ビジネス予測センターによれば、月収1万5000バーツ未満のタイ労働者の97%が借金を抱えており、1世帯当たりの借金額は平均13万1479バーツ。前年比10.4%増加した。
  2. 国家統計局は2000年〜2011年の家計債務動向を公開。それによると、2000年の平均月収が1万2150バーツだったのに対し、2011年には2万3236バーツと国民所得が大幅に増えていることが判明した。それに比例し、1世帯当たりの家計債務も同6万8405バーツから13万4900バーツへ増えた。
  3. またタイ商工会議所大学ビジネス予測センターは、「問題は、未払い率が高まっていること」と指摘。調査では、借金を抱える人の78.6%が「期日を過ぎたことがある」と回答している。
  4. タイ中央銀行は、個人による借金の返済条件を債権側との交渉などを盛り込んだ覚書を商業銀行と締結するとともに、「借金返済サポートクリニック」を6月1日から開設し、月収1万5000バーツ未満の個人を対象に返済相談を受け付けることとした。

(WISE 5月29日)

Ⅱ.東南アジア、南アジア情勢

1.ILOの基本条約批准

  1. インド政府は6月13日、国際労働機関(ILO)の児童労働に関する基本条約、「強制労働の禁止」、「差別の排除」に関する合計6条約を批准した。
  2. ILOには、労働者の保護や権利の保障を目的とした条約が189本存在する。基本条約には、「児童労働の廃止」を含む4分野、各2条約、計8本が定められている。インドが今回批准したのは138号(最低年齢)および182号(最悪の形態の児童労働)の2本となっており、第106回ILO総会開催に伴い、ダッタトレヤ労働・雇用相が批准書をILOへ提出した。
  3. インド政府は、2016年8月に成立した児童労働(禁止および規制)改正法をふまえ、今回の批准に至った。同法では、14歳未満の児童の労働と、14~18歳の危険な職業への従事が禁止されている(児童が放課後に家業を「手伝う」場合は例外)。

(NNA ASIA 6月15日より抜粋他)