JILAFタイ事務所だより(2月)

I.タイ情勢(2月)

1.労働者保護法の改訂準備

  1. タイ政府は1月4日の閣議で定年退職者に対する補償金(解雇手当)の支払いを義務化することで同意した。今回の改正により、これまで定年退職年齢を社則で規定していなかった場合は満60歳が定年とされ、定年時の解雇補償金の支払いが義務付けられた。
  2. タイでは、雇用者側の理由で解雇する場合は、勤続4ヵ月~1年で30日分、1年~3年で90日分、3年~6年で180日分、6年~10年で240日分、10年以上で300日分の補償金を支払う義務が生じるが、従業員が自主退職する場合は、何歳であっても雇用者は補償金を支払う必要がなかった。今後は、60歳を迎えた場合、解雇も自主退職も定年退職とみなし、補償金を支払うこととなる。
  3. また、定年に対する規定も含め、現行の制度で国際的に遅れている点を改善するために、労働者保護法の改正準備も進めている。定年・退職者に対する退職金の規定に、勤続20年以上の労働者に対する400日相当分の賃金支給を追加すること、産後休暇の他、産前休暇取得も可能にする、転勤に伴う手当支給や補償なども盛り込むことが検討されている。

(時事速報2月23日、読売新聞2月23日より抜粋他)

2.貧富の差、タイは世界第3位、インフォーマルセクター労働者、全体の5割強

  1. オックスファム・タイランドは2016年報告で、タイは貧富の格差がロシア、インドに次ぐ世界第三位となったことを発表した。課題を解決するには、官民協働で富の分配を加速する必要があり、税制改正、教育・保険制度の改善などを急ぐ必要があると提言している。
  2. タイのデジタル経済社会省統計局の調査によると、2016年の全国の就業者計3,830万人のうち、労働保護法が適用されず、各種の社会保障制度外のインフォーマルセクター労働者は全体の55.6%に当たる2,130万人であった。
  3. 業種別では、農業関連が全体の54.8%、商業・サービスが34.0%、製造業が11.2%。インフォーマルセクター労働者が抱えている課題としては、低賃金(52.8%)、重労働(17.1%)、不安定雇用(16.6%)のほか、福利厚生・休日がないこと、長時間労働、劣悪な職場環境などが挙げられる。

(バンコク週報2月6日、時事速報2月16日より抜粋他)

Ⅱ.東南アジア、南アジア情勢(2月)

1.公務員への賃金遅配(ラオス 2月1日)

  1. ラオスでは、公務員の賃金支給が慢性的に遅配しており、各役所などでは通常業務に支障が出ている。ラオス公務員の賃金は、この10年間ほど慢性的に2ヵ月~3ヵ月ほど遅配しており、役所や学校などの職員は勤務時間内であっても、他の仕事をするため不在時間が多くなっている。
  2. こうした状況を受け、2016年12月、首相は、早急な対策を講じるよう財務当局に指示。一部では12月までに遅配が解消した地域もあるが、未だに遅配が続いている地域も少なくない。

(Radio Free Asia 2月1日より抜粋他)