JILAFタイ事務所だより(11月)

I.タイ情勢(11月)

1.閣議で2017年1月1日より最低賃金引上げ承認

  1. 労働省プンタリック事務次官は、11月22日の閣議で中央賃金委員会が決定した通り、1日あたりの最低賃金を69県において、2017年1月1日より引き上げることを承認した。同次官は、「今回の引き上げは大きな額ではないが、少なくとも低所得者層にとっては励ましとなる。使用者側にとってもさほど大きな影響を与えないだろう。経済の発展にはバランスが重要だ」とコメントした。
  2. これを受け、2017年1月1日からの各都県の最低賃金は、7都県で310バーツ、13県で308バーツ、49県で305バーツ、8県で300バーツ据え置き、となる。
  3. プラユット首相は今回の最低賃金改定について、全国で平均1.7%の賃金上昇となるが、今回の最低賃金改定は国民の生活向上をめざすものであるため、最低賃金上昇にともなった物価の値上げは抑えるように、と述べた。
  4. タイ商工会議所のイサラ会頭はこのほど、企業の経営を圧迫したり深刻な経費増大につながったりすることはなく、また最低賃金の引き上げが消費者物資の値上がりなどによる物価上昇につながることも考えにくいとの見通しを示した。

(TAIRATNEWS11月22日、バンコク週報11月24日より抜粋他)

II.東南アジア、南アジア情勢(11月)

1.縫製業へ影響か(ベトナム 11月18日)

  1. ベトナム繊維公団は、イギリスのEU離脱とTPP貿易協定に反対している米国のドナルド・トランプ大統領の影響として、「今後、米国ならびにEUへの繊維輸出がマイナスとなる見込みであり、繊維産業総体の輸出の伸び率は5~7%に留まるだろう」と発表した。
  2. これを受け、ベトナム繊維協会は、商工省に対し、繊維業の国内外の投資プロジェクトの管理強化を含む地場産業の支援を要請した。また、その中で、最低賃金上昇と労働時間に関する方針を見直すことも提案した。

(アパレル・リソース11月18日より抜粋他)

2.ロヒンギャ問題拡大(ミャンマー 11月30日)

  1. 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ミャンマーから隣国バングラデシュに避難したイスラム系少数民族ロヒンギャが推定1万人に達したと発表した。UNHCRによると、ミャンマー西部ラカイン州において、10月9日に武装集団による襲撃事件が発生(70人以上死亡、400ヵ所の住居破壊)して以降、国内避難民が推定3万人を超えている。その大半がロヒンギャで、治安部隊の迫害を恐れ、国境を越えてバングラデシュに続々と避難していると伝えている。
  2. これを受け、ミャンマー政府は最近ようやく調査委員会を設置したが、対応の遅さから、各国の人権団体によるミャンマー政府批判が強まっている。ミャンマー政府は、ロヒンギャを「バングラデシュからの不法移民」とみなしており、国民の九割を占める仏教徒も政府を支持している。

(時事通信、朝日新聞11月30日より抜粋他)