JILAFタイ事務所だより(3月)

タイ情勢

憲法起草委員会、新憲法の最終草案を政府に提出

憲法起草委員会は3月29日、新憲法の最終草案を政府に提出した。279条文で構成される同草案については、8月7日にその是非を問う国民投票を実施する予定。 国民投票の可決には、投票者の過半数の賛成が必要となるが、可決後の総選挙、首相選出のタイムフレーム、否決時の対応等に関する具体的な計画が発表されておらず、本当に民政移管が実現するか懸念の声も出ている。 なお、上院議員(任期5年)については、現政権が250名全員を選任することとし、そのうち6名については、陸海空軍の司令官、国軍最高司令官、国防事務次官、警察長官とすることとなった。プラユット首相は、下院、上院ともに民選とした場合、「総選挙後に再度政情不安に陥る可能性がある」と主張している。

東南アジア、南アジア情勢

カンボジア最低賃金法検討

カンボジア労働省は、3月10日、年次会合において最低賃金決定にかかる過程を体系化するため、法案の作成を検討していることを発表した。 詳細は未定であるが、賃金決定のメカニズムを明確化するもので、アット・トーンカンボジア労働総連合(CLC)会長兼カンボジア・アパレル労働者民主組合連合会長も「曖昧さ、不明瞭さを改善するものであれば望ましい」とコメントしている。 なお、カンボジアにおける最低賃金は、縫製業、被服業及び製靴業に従事する労働者を対象とした設定となっており、2016年1月から140ドル/月に引き上げとなっている。新しい最低賃金法では、他の産業にも拡大することを検討している。

アジアの成長率減速

3月30日、アジア開発銀行(ADB)は、「アジア経済見通し(Asian Deveropment Outlook2016)を公表し、その中で、2016年のアジア地域の国内総生産(GDP)の伸びが5.7%にとどまる見通しと発表した。2015年実績より0.2%低下で、15年ぶりの低水準となる。低水準となった原因は、中国の減速があげられる。労働力人口の減少ならびに賃金上昇にともない成長に陰りが見えている(成長率:6.5%)。一方、中国に代わるアジア経済の牽引役と期待されるのがインドであり、モディ政権による構造改革のもと対内投資が活発化、成長率も7.4%となっている。