2009年 ニュージーランドの労働事情

2009年9月29日 講演録

ニュージーランド労働組合評議会(NZCTU)
ジョルジーナ・ヘザー・マクロード(Ms. Georgina McLeod)

健康部門政策アドバイザー

 

1.労働情勢

 1991年以前の労使関係は裁定による最低賃金に基づく制度下にあったが、1991年以降は雇用契約法によってその制度は廃止された。2000年以来、雇用関係法は「真摯に」を原則に労働組合と結社の自由を認めている。2000年から年次休暇も年4週間になり、有給育児休暇の延長やフレッキシブル勤務の導入がはかられた。また、16~17歳の若年者賃率が労働200時間以上からは成人労働者の最賃と同額になるよう賃率が引き上げられた。ニュージーランドは、まだストラキ権に関するILO条約をはじめ中核的ILO条約すべてを批准していない。

2.現在直面している課題

 最大の問題は、景気後退による賃上げ要求に対するゼロ回答、解雇、労働時間の削減である。また、新政権の誕生によって法律も変わり90日間の試用期間や経営者によるアクセス権や団体交渉権、4週目の休暇買い上げなど経営者により大きな柔軟性をもたらすこととなっている。

3.課題解決に向けた取り組み

 労働組合は公共サービスの向上、賃上げ、職場での諸権利など、職場における公平さを要求する運動をすすめている。ロビー活動によって本年度の最賃引き上げに成功した。景気後退による労働者への影響を最小限にとどめ雇用を確保するために政府のジョブサミットに参加している。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 労働組合は政府に対してはニュージーランド経営者協会とともに社会的パートナーとしてさまざまな三者構成作業グループに参加している。政府の各部門や省とも協力している。生産性や健康安全などでは建設的な参加をはかっている。

5.多国籍企業

 極めて開放的な自由貿易国であり、特にオーストラリアは非常に密接な貿易相手国である。国内における多国籍企業との紛争は多くはないが銀行、電話サービス、製造業においては、海外へのアウトソーシングが若干の問題として起きている。

6.ジェンダー問題の取り組み

 同等の仕事に対して男女で大きな賃金格差がある。女性の時間給は男性より平均して12%低い。年間にすると19%の差になる。このギャップに取り組むために設置されていた賃金平等推進部を政府は廃止した。CTUは政府に抗議し賃金の平等を推進するために各種NGOと同盟を組み、2009年6月には共同行動として議会へのデモ行進を行った。婦人参政権獲得記念日を祝して議会の階段で「Pay Equi-Tea Party」を開催、賃金格差12%のシンボルとして12%分欠けたケーキをプレゼントした。一連のイベントはマスコミで大きな反響を呼んだ。次のイベントが2009年11月に行われる予定である。