2004年 フィジーの労働事情

2004年6月2日 講演録

フィジー労働組合会議(FTUC)
ミカエレ マタカ ルル

フィジー砂糖・一般労働組合 副事務局長

 

フィジー砂糖・一般労組の活動

 フィジー砂糖・一般労働組合の組合員は、フィジーの4つの砂糖工場で働いています。ラボサ、テンガン、ララウェイ、それからラウトカの4つの工場です。組合員数は全従業員3,000人のうちの2,500人です。組合員は、それぞれの職場で、一般従業員と呼ばれており、特別な技能を持つ労働者ではありません。これらの従業員は工場でいわゆる便利屋とか雑役夫と言われている労働者です。仕事は、警備、配管工、電気工、機械工、技師、砂糖の積みおろし、砂糖の袋詰め、それから機関車の運転士、普通の車の運転手、溶接工、研究所の職員、出荷部門での仕事、その他、工場の中でいろいろな仕事がそのときどきで出てくると、それらの雑務もやっています。
 組合員は、自分のしている仕事の公式な資格証明書を持っているわけではありませんが、各仕事の分野で20年以上、また30年にもわたって働いており、経験を積んでいます。時には、年の若い、しかし資格を持つ技術者などが工場で故障に遭遇すると組合員のところにやって来て、どうしたらいいかと手助けを頼みます。そんな時組合員は親切に自分たちのボスを助けますが、だからといって手助けした仕事で何らかの手当てが払われるわけではありません。いつもの時間給を受け取るだけです。その時間給というのは、フィジーの貧困ライン以下の賃金です。
  組合員のほとんどは、現在の仕事を父親から引き継いできました。その父親も、そのまた父親から引き継いできました。つまり、この仕事というのは、父親から息子へと代々引き継がれてきたわけなのです。ただし、もし子どもが学校の成績が良くて、よそでもっと高い賃金の仕事を見つけられる場合は別です。
 フィジー砂糖株式会社(FSC)は、以前の所有者から工場を引き継いで経営されています。最初は、植民地砂糖精製工場と言われていました。次いで、南太平洋砂糖企業と名称が変りました。現在この会社は、国の政府が最大株主の国営会社となっています。しかし、その経営は、政府が任命した理事会によって行われています。
 次に組織化についてお話しします。未組織労働者の組織化は、労働組合の一番大きな課題です。砂糖産業以外で、私たちは今まで3つの職場の組織化に成功しました。1つ目は、ビッティ飲料水会社の水の瓶詰め工場です。次が、パインランドオーナーズカンパニー、松林所有者会社という名前ですが、その会社の木材や木材のチップを運ぶ大きなコンテナのトラック運転手の組織化に成功しました。3番目は、現在裁判所で係争中です。労働者は、憲法の規定に基づいて自由に労働組合に参加する権利を有し団体交渉を行うことができますが、労働大臣はその旨会社側に命令を下したのに、会社側はその命令に従おうとしていません。この係争中の会社の名前はコラルサンフィジーという観光ツアーの会社です。
 未組織労働者の多くは、経済の中のいわゆるインフォーマルセクターに属しています。この中には、非常に低い賃金で働いている人たちがいます。ただし、公共部門、準政府部門においては、組合組織率は大変高くなっています。組織率が一番低いのは、製造業部門です。